輝く青葉、極楽の香り (3) 真紅を纏う姿

夏物に取り替えたまではよかったが、たてこんでたり天気悪かったりで延び延びになっていた大物の洗濯。昨日ようやくコインランドリーに行けた。惜しむらくは洗ってる間のひまつぶしスポットが乏しい点。カフェとかあればいいのに(立地的に無理)。
さて月初の高野山、せっかくここまで来たのでアレも。

極楽橋は確かに終点である。だがそれは鉄道線としての意味であって、高野山へはまた別のモノに乗り継ぎが必要。改札を入って通路を渡り、そのホームへと向かう。

ってこんな垂れ幕なかったよな。この通路自体が極楽橋みたいな扱いになっとるやん。

渡り終えてびっくり。なんすかこのめっちゃ派手空間。どうやらコロナ初期(20年)にリノベしたようだ。

そんな鋼索線、いわゆる高野山ケーブル。

以前と変わっていないのは駅名標くらいで、あとは駅舎以外にもうひとつ大きな変更点が。

車両が新しくなった。といっても19年のことだからもう数年経過しているが、我々は12年ぶりに来ているのでもちろん初対面。N10・20形。どことなくお寺の調度品を思わせる、赤と黒のつやつや外装が印象的。

内装は渋めの色合いで、格子戸に似た背もたれが並ぶ。しかし渋いだけかというとそんなことはなく、

天井を見上げれば鳳凰やらなんやら、和柄で彩られたモチーフが配されている。

設備が新しくなろうとも、一貫して変わらないのは強烈な傾斜。このあとさらにそれを実感することができる。

ほどなくして電車が到着、乗り継ぎ客で車内が賑わったところで発車。

ケーブルカーなので当然、中間地点にて離合が発生する。新緑にめっちゃ映えるこの車体。

10分近い乗車時間中、断続的に注目していたアイテムがあった。それは勾配標。そもそもケーブルカーというジャンルの乗り物は急勾配に作るものなので、必然的に鉄道線では不可能なものすごい数値を拝むことができる。えーと、536。目視できた中ではこれが最大値だったけど、実際には 568.2‰ まであるという。ひえー。

というわけで高野山駅に到着。電車側でも「高野山ゆき」と案内しているし、心情的には極楽橋からエレベーターに乗ったような扱いなのだろう。

いうまでもなく、乗客の大半はお寺をめざして駅前のバスに吸い込まれていった。えっ、当家はどうしたのかって? 乗ってません。綺麗になったケーブルカー乗りたいだけやし、そもそも日帰りで高野山めぐりするなら午前中に来るべき。だいぶ前に1回行ってるしな。

てことで、折り返し乗車までの間にできることといったら駅舎見物くらいで。

おや、こっちも明らかに綺麗になってんな。

極楽橋より早く、15年にリノベを済ませていたらしい。前回訪問時の面影をとどめつつ補修と美観向上。

ひまなので2階に上がってみると、ふもと寄りに展望ルームができていた。全面窓を緑と青空が埋め尽くすナイスなビュー。

中央に階段を含む吹き抜け、それを囲むように休憩スペースと展示が設置されている。新型車をうれしそうに紹介するパネル、ああ見えて実はトイレの目隠し板を兼ねている。

展示コーナーにて「行幸啓」の資料を発見。昭和、つまり先先代の御方ですね。乗車位置やらスケジュールやらを事細かに指定、関係者によるリハから当日の写真まで貴重な記録がいろいろと。

そして姉妹鉄道の話題も。お、これは春にコラボ車を撮った MOB さんじゃないですか。なるほどね。

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