20年目のプラスティックアイランド
15 Mar 2008
棚が欲しい。いずれ東京に戻る気だと言っても、それまで CD やら何やらを段ボールに突っ込んだままというのは色々とよろしくないからね。何より、財政的に余裕あるうちに買わんと。
てなわけで、天気もいいので棚探しの旅に出発。
まずバスで下り、阪神に乗る。
すげー久々。多分乗ったのって人生2回目くらいちゃうか。前のときはこんな綺麗じゃなかったと思うな。山陽直通特急以外は、塗装がぴかぴかしてた。
やってきたのは尼崎のニトリ。
うーん。なくはないけども、デザインがいまいちかなぁ。「高さ 1m 以下、幅 120cm 以下、CD がたくさん入って取り出しやすく、できれば本も立てたい」などという厳しい条件があるせいだと思うが。シリーズ2点組み合わせてなんとかいけるかもな程度。
40分で終わってしまった。とりあえず駅に戻って電車に乗る。しかし、急行の停まらない阪神は使い勝手悪いなー! 通過待ちをしつつ、乗換案内で検索検索。おー、なんとか行けるか。じゃ久々に行ってみよー。
急行に乗り換え、魚崎で下車。ちょっとした渡り廊下の先に、あれが待っている。
これまたちょー久々、六甲ライナー。
例によって条件反射で最前車両。しかも次の駅で、かぶりつき席が空いた。うは。素知らぬ顔して失礼しまーす。
新交通なんで、走路のビジュアルはゆりかもめと変わらん。ただこの、真正面から人工島ビル群に突っ込んで行く感じはなんか良いな。
そうこうするうちに、アイランドセンター駅。あぁ、此処はすごく独特やな。ホームの端の窓に貼り付いて、今乗ってきたやつの発車を待った。
これこれ。なんか「絵に描いた21世紀」っぽくない?
肝心の棚探しは、ニトリ以上の不発。いや、家具店が多少集まってるぽいってんでファッションマート覗きに来たんだけど、店の選択完全に誤ったわ。桁が違う。ま、土曜午後とは思えない閑散さを観て気づけという感じだが。
こりゃ今日は駄目だな。そういうときは諦めが肝心。駅の反対側へ移動して、通りがかりのスタバで一杯。じゃ、散歩して帰るか。
すっかり傾いた陽が、まっすぐこちらを観ている。
階段を下りれば、夕日に染まるねこやなぎ。確かに今日も、もう薄手のコートで充分。春やね。
西日を真正面に受けて、建物もオレンジをまとった。
このアングルが記憶を呼び込んだ。教習所の送迎バスに乗りはぐれて、ライナーと建物の間に走る浅い水路に沿って駅まで歩いた。その道だ。
街灯に “20th” の旗が揺れていた。
10年経っていなかったあの頃。土の匂いがしないこの街に、違和感しか見いだせなかった。
今日、スタバのある界隈は賑わっていた。いろんな人がいた。ベビーカーも小学生もおばちゃんも。
20年。世代がひと回りするうちに、この埋め立て地はちゃんと「人が住む場所」になったんやなぁ。そう考えると、かつて無味乾燥に見えてた景色がちょっと違って見えた。
棚の収穫はなかったが、たまには適当にぶらつくのもいいよな。
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