異邦人、香港に願う (3) 動乱都市

平日だというのに、現地では大きな動きがあったようで。交通機関を遮断する行動もあったっぽいと聴いて、むしろ先週は最小限の影響で済んだんやなぁと改めて実感。確かに電車止まったりしたけど(詳細は後日)、平日はわりと平和だったし。
そんな香港のお話、当家が触れたごくわずかな現地の雰囲気の記録を。

スターフェリーのりば手前、海沿いの展望デッキ西端あたりまで来たところで、「現実」に引き戻される。

警察の人がわらわらと集まっている。見張っている人の背後では、どうやら一般のおにいさん数名が取り囲まれて持ち物検査かなにかを受けているようだ。それを遠巻きに見守る、現地の人だか観光客だか。他の人がふつーに写真撮ってたので、どさくさで当家もさらっと撮る。そしてさっさと離脱(外務省メールで「うかつにカメラ向けない」と注意喚起もあったし)。

6月に始まった抗議行動は未だ続いている。発端となった中国本土への犯罪者引き渡し条例は後日撤回されたものの、香港政府の対応は後手に回りがち。一方で抗議する側、いわゆる民主派の一部は活動が先鋭化。本土資本の企業や警察に協力的な企業を標的に、焼き討ちや打ち壊しが発生している。

5年前からよく使う日式洋菓子チェーン・東海堂。香港屈指の大手飲食グループ美心集団(Maxim’s)の一員。美心の創業者の娘(経営にはほぼ無関係)が体制寄りの発言をしたというところから、少なくとも不買運動は確実に行われた。それ以上の被害を防ぐため、いつでも店じまいできるように備えてある。
でも構わず北海道ソフトクリーム食べるんですけどね観光客は。だって暑いし。

てことで、お宿にはこんなお手紙が。要は「デモに気をつけてね」。14年雨傘デモ16年台風と複数回もらっているので、コレが置いてあるのも想定通りの当家であった。

でだ。せっかくここまで来たし、スターフェリー乗ってこ。
これまた5年前に買った機場快線旅遊票は、使い終わっても普通のオクトパスとして使えるため、あれ以来毎度使っている。改札に当ててみたら、残額がまだ多少あった。今回は臨機応変に動くため、フリーきっぷの類は使わない。あとでリロード(日本でいうチャージ)するか。

さっきの光景を除けば、この日の昼間は平和だった湾岸エリア。乗れてよかった。

いつものように、左舷から島のビル群を眺める。観光キャンペーン塗装のふねは健在。確か遊覧船として使われている、帆船風のふねもいる。

て、あの LED 広告枠が祝賀メッセージ掲示しとるわ。情勢がさっぱり落ち着かない中で観ると、煽ってる感がすごい。

波があまりない割には、よく揺れた接岸時。陸に上がってもしばらく、揺れる感覚が残る。

フェリーに乗る限り、観光客が減っている実感はあまりなし。むしろ多く感じたのは土曜だからか。

付近には見慣れない形状のふねが停泊していた。

中環ふねのりば前の広場で、手漕ぎボートの大会らしきものが開催されていた関係だろうか。

島の上空、大通り付近で、ヘリがしきりに飛び回っていた。今日はあの下でデモかもしれんな。

これ以上進むのはやめて、九龍に戻ろう。

復路も左舷に座る。横切って行ったのは、レスキュー隊や警察の小型船。

実際に島の中心部でデモが激しかったことは、夜にお宿のテレビで判明。警察が催涙弾を撃ち、デモ隊が火炎瓶を投げ、新華社が焼き討ちに遭い、銅鑼湾そごう前や維園、湾仔質屋前あたりが特に荒れたらしい。

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