欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (9) Vetture tranviarie serie 1500

旦那さんの変則勤務に対応しやすいように、夕飯の作り方をちょっと変えている。カット野菜や野菜サラダをよく使ったところ、新陳代謝がよくなったのか、2人ともやや減量。割高になるのが難点なんで、来週は予算面も工夫していきたいなと。
なわけでイタリア旅のちょっと長い1日めラスト。

ここまであえて「旅先にミラノを選んだ第一の理由」をスルーしてきたわけだが。話がとっちらかりそうなのと、初日はそんなに撮れてないのでまとめて出そうということで。えぇ、お察しの通り路面電車です。

1500 形。20世紀序盤に北米で多く走っていた “Peter Witt cars” と呼ばれる車両で、御年およそ90歳。仲間は他にナポリにもいるが、そちらは大改造を受けており、オリジナルに近い形で日常的に営業運転されているのは当地を除けばあとはサンフランシスコくらい。それすらもミラノからの移籍だというから、もはやここが本場と言っても差し支えないレベル。

現役車両数は 100 台とも 200 台とも言われ(複数ソース当たっても不明)、結構あちこちで見かける。最初の写真は到着直後の Centrale 駅前だし、ドゥオーモ付近にもたくさん。系統番号で言うと、1・10・19系統に集中投入されているようだ。連接車を入れるほど多客路線ではないのか、道の狭い箇所があって小回り重視なのか。

スカラ座前も経由。歌劇場と電車、ウィーンと似たようなシチュエーションっすな。

車体広告枠はあったりなかったり。ものによる。そして運転士さんに高確率で見つかる。

ベタな観光スポットをさらっと回ったところで、あとは夕飯まで電車タイム。

スカラ座からガレリアの西側をかすめて、地下鉄の Cordusio 駅方面へ向かう。奥のつきあたりを右折すれば、線路と道路が集まる大きな交差点。

Cordusio は滞在中たびたび経由することになる地点で、早い話が「スタバ前」。地下鉄の売店は、水購入の定番として大変お世話になった。

人が多いとともに電車も多くの系統が行き交う結節点。ピーターくん以外にも、いろんな形式が次々に姿を見せる。そこに停まっているのは、2番めに古い 4700 形。電装品や顔のお取り換え等を経て、半世紀以上長らえている。

余談だが、街ナカの広告で不思議な数字をよく目にした。「5×1000」。

ローマ帝国ってそんな歴史長かったっけ、などとうっかり勘違いしてしまったが、そういうものではなく。
あとで調べたところ、イタリアでは所得税の一部が寄付枠となっており、寄付先を個人で指定可能。「5×1000」とは「1000 分の5」つまり税に占める寄付率 0.5% で、非営利団体や医療機関など社会貢献目的に適用される。それがそのまま寄付を指す言葉になっているっぽい。広告が多かったのは、ちょうど確定申告シーズンだったから。なるほど。でもそれなら 5/1000 なんじゃないかと(余計なお世話)。

もうすぐ18時。街はまだまだ明るい。

ちょうどガレリアの西口に陽が当たっていたので、ここを通る1系統と合わせてみるべく待機。

だがしかし、後追いばっかり来たり、車が割って入ったり、全面ラッピングだったり。長距離移動の疲れに暑さもこたえるので、今日はこのへんで引き上げることにした。

せっかくなので初乗車。1系統に乗っていくと、お宿から1つ東の大通りを経由する。地下鉄と違って20分以上かかるけど、まずは実績作り。その結果、偶然にも検札シーンに居合わせる。係員が電車に乗るのではなく、電停から車内に声をかけ、降りた人をチェックする方式。心当たりのある人を効率よく釣るにはいい方法かもしれん。

降りる電停は「海外 SIM を入れた旧あいぽん」の GPS で答え合わせ。初めての街でもなんとかなるもんだ。また明日ねー。

こうして1日め終了。スーパーで軽食を買って夕飯とし、21時前の夕焼けを観て床についた。欧州の夏の日は長い。

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