欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (8) Galleria Vittorio Emanuele II

新しい音楽を摂取することに対して心の動きが極端に鈍くなってから1年以上経つが、ひょっとすると久々に「興味のあるもの」が現れたかもしれん。まだ様子見だけど、もし今後なにか買うとなったら仕事のモチベーション向上にもつながるかな?
さてミラノですが、もうちょっとばかり観光モードで。

ドゥオーモのすぐ北、広場に向けてまるで凱旋門のように構えているのが、もうひとつの著名スポットの入口。

19世紀に作られた、ショッピングモールと呼ぶにはあまりに格の高そうなビジュアルの「ガレリア」。その名にある「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世」って誰だよと思ったら、現在の共和国になる前、王国の初代国王だった。なるほど。

当家にとっては、ショッピングというより撮影の場である。では行ってみよう。

て、入ろうとしたらいきなりすごい混雑だった。入口に人がたまるたまる。

そりゃ入ってすぐコレですから、ちっちゃいカメラしかお持ちでない方たちも含めて写欲そそられるのも納得。
19世紀の欧州において、こういった鉄製フレームにガラスを張ったアーケードは流行っていたようだ。そして柱部分のこってり処理はさすがとしか言いようのない凝りっぷり。

ほどなくして中央部に着く。

中心を囲む部分、壁と天井の間の飾り壁には、世界の大陸とそれぞれ異なる文明を描いてあるらしい。ここが世界の中心、という意思も少なからずあったことだろう。

始終そこらじゅうに人が歩いているので、邪魔にならぬようはしっこで控えめに魚眼を取り出す。日本ではまずお目にかかれないほどの天井高、かなり広い道幅、採光バッチリの明るさ。
そしてなによりの特徴が、ここに入居している店の顔触れ。中心に面した特等席は2面がプラダ、他はヴィトンにヴェルサーチ。さらに近隣にはグッチだスワロフスキーだと枚挙に暇なし。うん、我々にとってはウィンドーショッピングくらいでちょうどいいっす。

中心点からやや西へずれたところに、わかりやすい人だかり。それにはもちろん理由がある。

床に描かれた紋章。かわるがわる何人もが、特定の場所にかかとを当てて立つ。これはトリノの紋章で、雄牛の絵があるのだが、その雄牛さんの大事なところにかかとで立ち、1回転できたら、いいことがあるらしい。
この衆人環視の中でくるんと上手にやれる自信もなく、他の人のチャレンジを拝見するにとどめる。観てない時に歓声が上がってたこともあるから、きっとその時回った人は成功したのだろう。幸運を祈る。

せっかくなので、南から北へ抜けてみる。

抜けたところで、広場の先にあるのがスカラ座。映画館じゃないよ。ウィーンのオペラ座と並ぶ世界三大歌劇場。この建物ができた頃のイタリアは実はオーストリア領だったというから、アレの兄弟みたいなものか(建設年はこちらの方が早い)。
ここは別の意味でまた注目することになるんだが、その話は次回。

ドゥオーモ周辺ということでさらにもうひとつ話を混ぜておくと、ガレリアからちょっと西へ行ったあたりに、近年できた「新名所」。

POSTE とあるように、かつて郵便局だったと思われる建物に入ったのは、あのスタバの高級ライン店。エスプレッソ大国イタリアにシアトルコーヒー大手が殴り込み…あ、いや、進出するとどうなるのかは興味あるね。

ただ、昨秋のオープンからまだ1年足らず。話題性尽きぬのか、テイクアウトですらすさまじい行列。内装を観るだけにとどめた。この店の業績は不明だが、そういや通常業態の店は Centrale にもあった(5月オープンしたばかりっぽい)し、なんなら空港にまであった。意外と好評だったりして。

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