夏暮れる西国 (8) 歴史が語る
23 Sep 2014
せっかく天気もよかったので、秋っぽい景色を探して右往左往。しかし、うちらの趣味対象に自然を取り込むのはやっぱりいろいろと苦心するねぇ。素敵な小道具があってもいい位置に立てないとか、ジャストな時期を狙って来るのはわりと厳しいとか。そこも含めて楽しむのが正解か。
さて8月関西、南海攻略の巻ラスト。
ここらへんの本線は以前から高架化が予定されており、ようやくそれらしいものがだんだん出来始めたところ。そんな本線を横目に、上り線の片隅に設けられた切り欠きホームがある。
こちらが高師浜線。車両は多奈川線で乗ったものと同型なので特に説明不要やね。
この支線もごくごく小規模で、たった2駅。ものの数分で終点の高師浜に着いた。
1面1線のとってもシンプルなホーム。そして周囲が住宅地ばかりだからか、意外にもほぼ全線高架。あとは羽衣ができあがれば完全高架化となる。
線路はそんな感じだが、ここで特筆すべきは駅舎。
昨年末の帰省時、同社にいくつも存在する歴史ある洋風駅舎を回ったが、そのとき時間が足りずに回りきれなかったのが、まさにこの高師浜だった。これでようやく訪問達成。
ここもステンドグラス装備。駅名の通り「浜」の絵柄。よーく観ると一部欠けているのだが、遠目にはあんまりわからん。
柱や角の装飾は諏訪ノ森のものとよく似ている。
改札は自動化されても、全体の雰囲気はよく保たれている。他駅と違って高架化に影響されなかったのは、終端駅という構造が幸いしたのだろう。
さてラスト1線。南から攻略した我々にとって、ここが一番ハードル高かった。なんせ各停しか停まらないので、まず発車駅まで行くのに時間がかかる。しかも他支線同様、乗り換え先は30分に1本ののんびりダイヤ。
そして追い討ちをかけるように、ようやく支線ホームにたどりついたところでどばっと大雨。ここまでの疲れを一気に引き出されることとなった。が、ここまで来ちゃったのでもう後に退くのも逆に疲れる。勢いで行くしか。まさに乗り鉄修行とはこのことだ。
なわけで、最後に残されたわずかな区間、それは岸里玉出からの汐見橋線。正式には高野線の延長線上にあるものだが、いまやすっかり難波ルートが主流となり、直通もなくなった「果て」の線である。
降り続く雨。どことなく特殊な雰囲気を濃厚に醸す沿線風景。ゴールはもうすぐ。
で、10分少々。ついに最終目的地、汐見橋に到着した。
ごくごくシンプルな終端。あとは、以前駅舎だけ観て帰った改札をくぐるだけ。
たまに気が向いて着手する「私鉄各社ごとに全線制覇の旅」、関西3社目となる今回は結構ハードでしたわ。
阪神経由で難波に戻り、ささやかなおやつを買って実家へ帰還。結局ろくな昼食をとれなかった分、夕食はいつもの店でたっぷり堪能したのであった。
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