欧羅巴幻想曲 II ヴェネツィア、水の都 (17) Bagni comunali

東京のほうもようやく梅雨明けしたそうですな。こっちはすでに真夏全開。すだれからは温風が吹き抜け、寝具もすべて一番暑い時期のものに。近所のプールも賑わっているようだ。プール行ってみてもいいけど、リゾート用の水着ではちょっとなぁ。
さてヴェネツィア2日め、地味に大事なアレの話。

例によって San Zaccaria に到着。次の目的地をめざすにあたって、まずトイレに行っておきたいな。バールでコーヒー1杯と引き換えに借りるって最終手段もあるけど(大昔に使った)、島内のどこかにトイレがあるって表示を見かけた記憶があるぞ。それ探してみるか。

ふねのりばの名の元となった教会前を抜けていく。サンマルコ広場の東側はレストランが多い。大昔、自分のワイン許容量を把握せぬまま「イタリアだからワイン」と乗り気になって失敗した苦い思い出も、このエリアのどこかに埋まっている。あの店、料理のサーブもお会計もめっちゃ手際悪かったし、もう潰れてたりして。

頼りにするのは、建物の壁に WC と書いた方向案内。それを探して歩く。

一見するとどっちへ向かうのかよくわからんような細い路地を、直感でなんとなく進む。

案内表示が貼られているのはドアより上の高さ。自然と視線が上向きになり、素敵な看板にも目が止まる。て、そこちゃうわ。トイレはどこだ。

探し始めて10分以上。水路を渡るこの橋の上で、ついに WC の文字を見つける。水路の脇、教会前の広場から、我々と違うルートをティーンらしき集団がぞろぞろ移動していった。サマースクールかな。夏だし。

時折現れる表示を追うが、なかなかたどりつかない。そんな中、旦那さんが気づいてしまった。このへんまで来ちゃったってことは、ほぼリアルト橋じゃね?

その推測は大当たりだった。当家が到達したのは結局、リアルトから徒歩1分もない細長い広場 Campo San Bortolomio 付近、北東角の狭い路地をわずかに入った地点。

欧州あるある「公衆トイレは有料が基本」はもちろんここでも健在。お値段1.5€。観光地価格にしても正直高いが、便座があるだけ Centrale よりはよい。有料のくせに便座がない2大トイレのことはいくらでも言うぞ(もう1軒はウィーンの Karlsplatz 駅構内)。
なお、サンマルコ地区の公衆トイレは2つのみ。もうひとつが実は出発地点から断然近いところにあり、本来の正解は「広場西側すぐ、エルメスやブルガリの近く」だったことが後日判明する。ヴェネツィア歩くならトイレマップ欲しいね。ヴェネツィア市の公式サイトにまとまってたので、これから行く人は事前ダウンロード推奨。

ふぅ。なにはともあれ、用は足せた。ちょっと引き返したところでパニーニ屋さんを発見、早めのランチとする。では今度こそ、次の目的地に向かうか。行きたいふねのりばまでは徒歩が一番早い。北上あるのみ。

あらこんなところに例のふね。あの事故を引き合いに出した上で、観光客激増の元となる大型クルーズ船に反対する市民の会みたいなやつですな。

これだけの観光都市だからこそ、地元民のみなさんにも思うところはいろいろあるだろうけど、自分が観光客なので大きなことは言えない。

我々にできるのは、来たからにはエンジョイして帰ることくらいですわ。

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