欧羅巴幻想曲 II ヴェネツィア、水の都 (16) Basilica di Santa Maria della Salute

ちょっと機会があって、生活圏が含まれるエリアで撮られた古い写真などを観ることができた。公共施設や交通機関など変化も多く、まるっきり跡形すらないものもあって笑ったが、今に通じる痕跡がよくわかるものも。わかる程度には住んでるってことか。
さてヴェネツィア2日め、著名スポットめぐりは続く。

今更だが、ヴェネツィア本島は大きく「ドルソドゥーロ、サンタ・クローチェ、サン・ポーロ、サン・マルコ、カンナレージョ、カステッロ」の6地区に分かれている。加えて、ジュデッカ運河を挟んだ南側に「ジュデッカ、サン・ジョルジョ・マッジョーレ」の2島。
ムラーノ島などを除けば、観光面でイメージされるヴェネツィアは概ねこの範囲内にあり、当家も滞在中少しずつではあるが本島6地区すべてを通過したことになる。

大運河を挟んでサンマルコの南岸に対面する、ドルソドゥーロ地区に足を踏み入れるのは今回これが初めて。

あちらほどには観光客が集中して来る場所ではないらしく、散策ものんびりと。

それでもやっぱり同じ島には違いなく、街を歩けば教会に当たるのは変わらない。あと井戸も。昔はバンバン使ってたみたいだけど、地下水が減って地盤沈下でやめたとかなんとか。

素朴な建物が多い路地にあって、他よりデコレーションの多い建物があるなと思ったらホテルだった。需要はいくらでもあるだろうし、非日常として滞在する分にはそんなに不自由もないよね。

そうそう、路地で何度も出会った単語がひとつ。Sotoportego とは、要するに「建物の1階をぶち抜いて通路としたもの」。コレがないと路地に出られない家もあるっぽいから、地味に重要な役割を担っている。

Sotoportego を抜けて橋を渡ると、目の前に大きな教会が待っている。

サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、通称サルーテ。実は大昔にも来てたっぽいが(忘れてた)、過去の記録を後日確認したら陸路オンリーで到達にだいぶ時間がかかったようだ。トラゲットは偉大。

Punta della Dogana の脇を抜けて、三角形に尖った陸地の東端に立つ。

2つの運河にぐるりと囲まれた立地はパノラマ撮りにぴったり。ちょうど団体さんがやってきて、パノラマ目当てに暗黙の行列ができる。自分も並んでさっと撮る。

鐘楼からここが見えるくらいなので、もちろんこちらからもサンマルコ方面を望むことができる。

しばし景色を堪能したところで、次の予定もあるし、そろそろサンマルコに戻るか。

トラゲットもあるけど、当分来なさそうだから普通のふねにしよう。さっき渡ってきたあたりを鑑賞しつつしばし待ち、聖堂前から1系統に乗る。

あれ? さっきパノラマ撮った東端のすぐ脇に、いかにもレトロ観光船らしきもの。しかも掲げている旗がなぜかオーストリア。旗の意味はわからずじまいだったが、6月中旬にふねの見本市的なイベントが催される予告だったことは後日把握した。

例によってまた船上サンマルコビュー。

ため息橋も白く美しい。やっぱ午前中がいちばん順光やね。

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