森と都会に囲まれて (8) 明治を走る

昨日やっとクリスマスデコ完了。これでなんとか2週間くらいは飾ってられる。先週出すつもりが、気づいた時点で掃除をあらかた終えた後。押し入れの段ボール動かすと多少なりともホコリとか出るんで、季節品の出し入れは掃除前がベターなのよ。
なわけで盆の明治村ラストはのりもの多めで。

3丁目を後回しとしたのには理由があった。

村の外側に広がる溜め池・入鹿池を見下ろす位置に、かつて品川にあった燈台。その付近に「駅」がある。

日本で最初の路面電車だった京都市電。明治末期の車両と、時代感を合わせた駅が園内に3ヶ所。ここ「品川燈台駅」は片側の終点にあたる。

2両いるうちの2号車は、今日の出番はなさそう。繁忙期には駆り出されて行き来していることだろう。もちろん乗ってみたいところではあるものの、次にここへ来るのは30分近く後。うーん。

付近の建物をぶらぶら。ちなみにこれは西園寺公望の別邸なのだが、当物件を含めて結構な頻度で「坂の上の雲ロケ地」の表示。いやどんだけ人来たんすか。

思案の結果、1つ前の駅に戻ることにした。2丁目入口付近「京都七条駅」へ。

おっ、きたきた。歩行者に気を配りつつ、カンカンとベルを鳴らして慎重に前進。駅に着くのを待って、いそいそと乗り込む。

2丁目へ引き返した理由はいくつかある。まず、そもそもこの日は猛烈に暑く、ちょっと涼みたかったこと。冷房はなくとも窓全開で走れば多少は風もあろう。ここまで来れば折り返しを待たずさっさと乗れるし。
そしてもうひとつ、この日特有の事情として「SL 運休日限定特典」があった。本来なら1回限り有効の乗車券で、SL の振替輸送として終日乗り放題可能となる。そんな何往復もせんけど、2回乗ったらもうお得よね。

というわけで、燈台駅に着いたらいっぺん降りてまた乗車。特典の恩恵にあずかる。

ふむ、基本構造はやっぱり梅小路の動態保存車と同様やね。知ってるやつ。

つり革は持つところじゃなくて上部にかかってるところが革。

そこからそこまでが台車。床を観ればわかりやすい。

てな感じで、発車間際で他の乗客が増える前にじっくり観察できた。

線路は3丁目の外周、入鹿池沿いをのんびりと走る。

速度感もだいたい当時と同じらしい。それもそのはず、電車(電池式)に改造された梅小路と違い、こっちはガチの動態保存。動力も当時と変わっていない。よって、走行中は昔ながらの電車の「いい音」が響き渡る。

2丁目をかすめ、4丁目の外周を経由して終点の「名古屋駅」に到着。トロリーポールを進行方向後ろ側につけかえる動作に、つい香港を思い出す(あれは運行形態が特殊な時だけだが)。

全区間乗っても10分程度とはいえ、実走する電車にお金を払って乗れるものとしては日本最古。いい経験ができた。

ふぅ。SL がないので、北口までは歩くしかない。ちょっと休憩。

昭和の駄菓子屋みたいなお店でアイスキャンデーを発見。真夏の午後にしみわたる。

あとは往路に寄りそびれた建物をちょこちょこのぞいていく。明かり取りの窓を屋根へ大胆につけた写真館や、

リアルな人形が緊迫感を漂わせる裁判所などを経て、入口まで戻ってきた。

こうして見学を終え、あとは一路帰宅の途へ。SL が走る姿にお目にかかりたくなったら、その時は真夏以外に来るとしよう。

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