産業興隆の息吹あり (1) 形を残す黎明
10 Feb 2021
今週もバリバリ働いております。できることはさっさと、難しいことはよく調べて、無理なものは潔く。やっぱり実用的な作業がいちばん勉強になるんだよなぁ。ともあれ、明日は祝日なのでお休みである。ちゃんと休むのも仕事のうち。
さて今回は時計を少し戻して、昨年11月中頃のお話。
旦那さんの提案で向かったのは、意外にもこの年で2度めの愛知県。名古屋市内をスルーして郊外に入り、リニモの沿線をしばらく進むと、ある種の「ご当地施設」が建っている。
トヨタ博物館。いうまでもなく、あのクルマのトヨタである。
あと2駅ほど行けば、かつての愛知万博会場。周囲を見渡すと、いかにもリニモ開通後に住宅街が広がりましたという風情が漂っている。そんな中、当館は万博よりはるか前の平成初期にオープン。先見の明なのか、単なる偶然なのか。
建物に入る前から、屋外に実車が少々展示されている。
おっ、これは IMTS さんじゃないですか。万博当時、会場内移動手段のひとつとして運行されていた自動運転バスのようなもの。実際に乗って以来15年ぶりだな。
同じバスでも、エントランス脇にはレトロなボンネットバス。これはこれで昭和らしくていいね。
クルマの施設だけあって、入館料のお支払いには JAF 割引が使える。ささやかながら恩恵にあずかって、いざ館内へ。
最初に迎えてくれるのは、記念すべきトヨタ初の量産車「AA 型」のレプリカ。そこからエスカレーターで2階へ。順路通りに進むことで、トヨタのみならず自動車という乗り物全体の歴史に沿って見学することができる。ので、まずはコレ。
あーこれ知ってるぞ。ベンツのパテントモトールヴァーゲン。今の仕事を始めたほんとに初期の案件で、掲載する内容にこの車両の情報が含まれていた。違う意味で懐かしいわ。
と、そんな昔話はさておき、自動車なるものが誕生した黎明期の車両が並ぶ。
何がすごいって、大半が現在でも自走可能、つまり動態保存なこと。付近に設置されたモニタでは、敷地内で実走する模様も上映されていた。動けるクルマの下には、油が垂れるからトレイやシートが置いてある。
新しいモノが普及する流れの定番として、初期に手を出すのはやっぱり富裕層。
現代の価値観で眺めても、やっぱりお高そう。よく観たらロールスロイスやし。
その一方で、徐々に庶民向けカーが出始める。かの有名な T 型フォード。
小型化も試みられ、いろんなデザインの外観を持つものが出てくる。これはナスっぽい。
高級化の側面を物語るのが、日本風に言えば「御料車」にあたる車両の登場。後部座席の配置は、のちのリムジンに通じるものをなんとなく感じる。
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