欧羅巴幻想曲 II ヴェネツィア、水の都 (4) Linea 2 del vaporetto : 2

実家から夏にありがちなモノが来た。お中元の横流…あ、いや、おすそわけ。ヱビス派の父があまり飲まないプレモル1箱である。当家は普通に飲むので、ありがたくいただいた。今だけ冷蔵庫がサントリーの回し者みたいになっとるよ。
さてヴェネツィアのふねは徐々に目的地へ近づいております。

本島の南側、大きな島からちょっと離れたところにあるジュデッカ地区までやってきた。

こちらは観光というより、地元で暮らす人々のためのエリアだろうか。ふねから見えた範囲では、飾らない雰囲気の街並み。

一方の本島側に視線を移せば、いかにも狭い運河から橋をくぐって続々と出てくる小さなふねたち。ここでは運河イコール道路の位置付けだから、通行規制や最高速度など、まるで道路のように標識も掲げられている。

さあ、このあたりからがヴェネツィアらしい景色のオンパレード。

屋根瓦はオレンジ。縦長い開口部の上に独特の形状をあしらった窓。教会のステンドグラスをあしらった窓にも似ているから信仰の表れなのか、それとも通気口のような実用的な意味なのか。いずれにせよ、クローバーをかたどったような輪郭がかわいい。

壁の色は明るいものが多く、ピンク系やクリーム系、白などさまざま。

近年綺麗にしたであろうオレンジ系も多い。濃色の壁には、窓に施された白いふちどりが映える。

運河の上に張り出して、テラス席を設けた店もちらほら出てくる。いよいよ観光地としての中心部に近づいていることを感じる。

海に面した教会。このあと実感することになるように、街を歩けば教会に当たる勢いで、数え切れないほどの教会がそこらじゅうに点在。街の景色の構成員として欠かせないものなのだろう。一般の建物がどことなく「できる限り左右対称」をめざしているように見えたのも、あるいは教会の構造美を意識してのことか。

10席もない最後尾屋外席には当家のほか、小学生くらいの男の子2人を連れたご家族などが座っていた。
ご家族のうち、カメラを手にしたご婦人は、当家と一緒になって例の事故った大型客船をガンガン撮っていた。構図の邪魔になるかと避けようとしたら「大丈夫」。一方、ごきげんななめな下の子にカメラを向けては「はい笑って笑って〜、ちゃんとできたらジェラート買ってあげるから」。こどものなだめ方(釣り方)は万国共通。
そこへ新たに乗ってきたおにいさん。胸元には ACTV のロゴ。あ、中の人でしたか。そうとは気づいてないのか、ご婦人がおにいさんに「どこから来たの?」。おにいさんは通過した街並みを指さし「あのへん」。いつもこうやって通っているっぽい。

この街には「海の男」がたくさんいるようです。マイボート持ちも多数。

白いタクシーも波を切って軽快に飛ばす。

その先に見えてきた。街の中心であり、観光の中心でもあるサンマルコ地区。

白い聖堂を通過したら手前の島を抜け、いよいよ正面へ。

広場のシンボル、鐘楼と、隣接するドゥカーレ宮殿。2日前にブレラで観た絵と寸分違わぬ、それこそ絵に描いたような「これぞヴェネツィア」構図。しかもいい天気。

ふねからの眺めは刻々と変わる。鉄板構図を陸上で落ち着いて鑑賞するなら、対岸の San Giorgio Maggiore に行くのがよさそうだ。あとで行こ。

姫屋…じゃなくてホテル・ダニエリが見えてきたら、降りる時は近い。たぶん結構いると思うのよ、ARIA きっかけで来る人。当家はそこまでガチじゃないんで、さすがに泊まったりはしておりません。めちゃくちゃ高いんすよダニエリさん。

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