欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (12) Pinacoteca di Brera : 2

旦那さんの出勤に合わせて16時前くらいから買い物に出たんだけど、暑っ! これはもはや夏では。つーか関西ってちゃんと梅雨入り宣言もらってないよね。もしやこのまま空梅雨で終了か。水不足はいややなー。鬱陶しくない程度には降ってもらわんと。
さてミラノの観光タイム、ブレラで観てきた絵について。

当館の展示品には特徴がある。イタリアで活躍した人が多いのは自明としても、もうひとつ明白な点。

宗教画が圧倒的に多い。頭部に後光が差している人は聖人、くらいの知識しかなくてもわかる。

アートには明るくないと明言する旦那さんが「これは観たことがある」と足を止める。たしかに。『死せるキリスト』、これまた著名な題材でありながら、斬新な構図が特徴。

大小に区分けされた展示室を、少しずつ進む。

とにかくサイズのでかい作品がよく出てくるため、入った時点で圧倒されることもしばしば。その広いキャンバスに、これでもかと大勢の人がみっしり描かれ、背景も細かく描写される。画家の執念の強さか、依頼主の要望の盛り具合か。

描かれている題材には、磔のような著名なものもあれば、個人的に懐かしいものも。左の絵は『東方三博士の礼拝』。マギですね。日本だとエヴァで知った人も多いかと。大学の「絵画に描かれたモチーフを読解する」というゼミで、別画家のマギ絵を使って発表したのはよく覚えている。

広い展示室のひとつで、思わぬ収穫があった。

右2つはティントレットの作品。右作品の斜め構図が目を引く。そして左の横長い作品はヴェロネーゼ。食事シーンを描いた作品が多いらしく、このさらに左隣、彼の別作品もやっぱり食事。しかも。

解説を観て、はたと気づく。”Last Supper” ってそれ『最後の晩餐』やん!
この題材を描いた画家はダヴィンチに限らず何人もおり、そのひとつがコレ。にしてはちょっと描かれた人数が多いわけだが、そもそもヴェロネーゼさん、宗教画と称して当時の日常風景をガンガン絵に入れ込むタイプだったらしい。むしろ現代においてはいい記録となっているのでは。

リアルな絵といえば、順路を進むにつれて明確な変化が。

めっちゃリアルなフルーツや野菜の数々。このあたりを契機として静物画ジャンルが発展していった、というのもわかる。

衣類など布の質感描写もどんどん微細に。それを実感できるよう「さわれる布見本」を絵の脇に設置。その発想はなかった。

人物も、天使など「人間でいう乳幼児」の描写が大きく変わった。もっと古い絵は聖なるイメージを出しすぎてこわい面すらあったが、時代が下ると表情が和らぎ、現代の感性で観てもかわいいと感じるように。

後半の部屋。多くの人が特定の絵の前で立ち止まる。著名な画家の作品に違いない。

カラヴァッジョ。同一題材で2枚描いた『エマオの晩餐』の2枚め。解説にあった「複製じゃないことが近年判明」という下りも、人気画家ゆえの強調か。

そしてルーベンス。しかもこれまた『最後の晩餐』。ユダがめっちゃわかりやすい。結果的に、ダヴィンチこそ見逃したものの『最後の晩餐』は2作品観れたことになる。むしろお得だったのでは。

収蔵品としては比較的新しい、18世紀から19世紀にかけての作品群が終盤に。

後日ヴェネツィア現地で「だいたい合ってる」となった。

最終的に油絵の技巧はほぼ極限近くまで上がり、そして写真の普及に伴い徐々に需要が減っていったのだろう。でも改めてじっくり観ると、絵には絵の良さがあるよね。たまには美術鑑賞もいいもんだ。

Like
Share