大和の冬の旅

梅田へ行ったらそこらじゅうが正月になっていた。装飾はいうまでもなく、初売りの話とかもちらほら出てるし。クリスマスから年越しまでの間がなさすぎるから毎年こうなるんではあるが、洋から和への急旋回で目が回るわ。
さて今回は12月上旬、のりもの抜きでゆるっと日帰り旅のお話。

そろそろ「おクルマの充電」が気になる頃合い。そこで今回も充電ありきの目標を定めた。府内東部を高速でぐるっと大回り、橿原から三輪へ。三輪といえばもちろんアレだ。

数年前の夏に寄って大変おいしかった、三輪そうめん有名店・三輪山本さん。また来たよ。
ランチタイムで混み合う直前に無事着席。では注文を決めよう。夏であれば冷やしそうめんをいただくところ、今は冬。いくら桁外れに暖かい日(最高20度に迫る勢い)といっても、やはり季節相応に温かいメニューに惹かれる。

で、にゅうめん。旦那さんはにしん1本入りでシンプルに、わたしは湯葉につられて。あつあつなのに最後まで延びないのが実に不思議。うまいそうめんは温度を問わずうまいということがよくわかった。

ご一緒に柿の葉寿司もおすすめ。

ふぅ。せっかく奈良まで来たので、未訪問だったスポットをめざすことに。国道をひたすら北上、奈良公園の手前で進路を西にとり、ちょっと行ってあとは南へ。

こちらでございます。拝観料を納めてさっそく境内へ。

唐招提寺。世界遺産の一角を占めており、歴史の授業でも必ずと言っていいほど挙がる名刹である。でも来たことなかったのよ。

まずは正面の金堂へ。本体も国宝なら、ご本尊以下屋内の像も全部国宝。積み重なった歴史の圧がすごい。

後ろに控える講堂内では、ご本尊が修復作業の最中。台座も含めていろいろと分解されており、逆にこういう時でしか観られない仏像の構造が見えたのは貴重。

他にもあれこれあるようなので、散歩がてら全体を観て回るとしよう。

東側のもっと奥にある展示施設は、春と秋を除いて休業中。

裏手の北側には、お寺本来の実用的な施設が並んでいる。一般人が入れる範囲からちょっとだけ拝見。

境内を散策する人は他にも意外といて、しかも海外の言葉が聴こえてくる。

開山堂には重要なものが安置されている。唐招提寺といえば鑑真、その像を平成期に複製して通年観覧できるようにしたものがここにあるのだ。現物ではなくとも姿形は明らかに「教科書で見た」そのもの。

なお、本物の像(国宝)は御影堂にあり、毎年限られた時期だけ公開されるとのこと。

そんな建物群とはやや距離をおいたところに御廟がある、と案内看板。

日本の寺社仏閣では珍しく、まるで雑木林そのままのような木々を抜けて進むと、その一角に到達。

ふかふかとした苔に包まれた敷地内の奥へ。

付近の石碑などから、海外のお客様が多い理由のひとつに気づいた。当寺は極東諸国の仏教界においても重要な位置付けにあるようだ。言われてみれば、鑑真は大陸から大変な苦労をして来日したことで有名。そりゃそうなるわ。

だいたい周ったところで金堂付近に戻る。

これまた日本史で絶対通る校倉造の宝蔵。なにもかも国宝で感覚が麻痺してくる。

全体としてもうひとつ印象的だったのが、おそらく他では観たことのない伽藍配置。少なくとも〇〇式としては習っていない気がする。成立の経緯が特殊なことも理由だろうか。

こうして拝観を終え、門を出た我々の横を、左右スレスレでバスが通過していった。奈良交通の底力。
門前からすぐの角を曲がると、徒歩圏内に薬師寺。そちらは去年(近鉄制覇のついでに)訪問済だったが、すでに夕方だったため唐招提寺とのハシゴは断念していた。今回ようやくこちらにも来れて、奈良の著名寺社訪問歴をまた増やすことができた。

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