欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (19) ATMosfera Tram Ristorante

健康診断(自腹)をそろそろ検討し始める。の前にふと気になって、今年の国民健康保険がいくらになるのか試算してみた。高っ! 去年より若干まし程度で、6桁単位でざくざく貯金を削られることに変わりはない。うーむ。今年までの辛抱か。
さてミラノのほうは2日めラスト、ちょっと違う電車のお話。

地上に出ると、さっき凱旋門越しに見えていた建物の前。

美術館などとして使われているスフォルツェスコ城。たまたまとはいえ、若い人がいっぱい歩いているとまるで大学のようだ。

この城塞を囲むように、南西から北東にかけて半円状の道路が通っている。外側に電車やバスが経由する大通り、その内側にもう1本。ふつうの電車がやってこない内側で待機すると、きたきた。

特別な車両。実は地上に出た瞬間、目の前(外側にある電停)を送り込み回送がしれっと通過していた。結構ギリギリで走行シーンに間に合ったことになる。

着いてしまえば、あとは20時の発車までじっくり鑑賞タイム。さっそく乗客の皆さんが乗り込んでいく。我々は乗るわけではなく観てるだけ。

一見してわかる通り、1500 形を改造した 1970 号。平たく言えばレストラン電車である。運行は1日2回。ほかに 1855 号が同様の改造を受けており、20時半の回を担当している(宿へ帰る際にすれ違った)。ので、正確に言うと「レストラン電車1号」。

乗車は予約制で、フルコースに飲み物付きでお一人様70€。イタリア滞在中、当家2人分で1食あたり2桁ユーロを一度も超えなかったことを考えると、なかなかのお値段。優雅に楽しむためのものですな。それでも定員24名と少ないこともあってか、現状予約できる枠は2ヶ月以上先まですべて埋まっている人気ぶり。

深緑にゴールドのラインが、わかりやすく高級感を演出する外観。正面などに書いてある愛称 “ATMosfera” とは「雰囲気」のイタリア語。社名の ATM と掛けているのはいうまでもない。

ここはコレに乗るためののりばで、他の電車が来ない専用電停。中の人が時折出入りするなどして、準備が進む。

と思ったら、まさかの展開。

あれ? 後ろから電車来たよ? て、こっちの発車までまだ10分以上あるというのに、どうすんだ。そもそもなぜここに来る。

よく観て納得。こっちも貸切かなにかだった。1503 号ってことは、ピーターくんの中でも最古参に近いのでは。

深緑の後ろにぴったりつけた黄色い車両から、何人かが降りてきてレストランに移っていったようだった。
それにしても、夕飯相当の旅が20時台スタートとはいかにもごゆっくり。やっぱり夕方に一杯やるのがイタリア標準なのか。

じゃ、我々も夕飯にしますかね。駅まで戻ろう。

外側の電停から、せっかくなのでピーターくんで帰る。馬の上から見守るのは、イタリア王国成立に貢献した Giuseppe Garibaldi さん。旗日の電車にぴったり。コレに乗ったのは、もうひとつ理由が。

車内の灯りがつくところを観たかった。
いかにもクラシックなガラスのランプがあるのは昼間から認識してたけど、当たり前だが日没の遅い国ではなかなか点灯せず。この時間まで粘ってようやく観ることができた。

今日もたくさん乗れたし、いろんな電車を撮れた。充実の1日もそろそろおしまい。

宿をスルーして Centrale まで歩いて、駅ナカごはん。トレインビューなカウンターから、郊外電車でミラノへ帰ってくる人波や、午前2時近くまである圧巻の発車案内を眺めつつ、パスタをおいしくいただいた。

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