季の移りに身をまかせ (2) 勇姿を誇る車

バックアップデータ移植作業、メインマシンでやると他の作業がやりにくくてアレなので、Air に振ってみた。確かに可能ではあるんだが、うちの Air さんには LAN ポートがない。つまり無線。めっちゃ遅い。有線化するもの仕入れてからまたやるか。
さて先月の京都鉄博、今回の目玉展示について。

過去にしっかり拝見した常設展示の脇をどんどん進んで、本館の一番奥までやってきた。わざわざ梅小路まで足を運んだ最大の理由が、短いスパンで展示車両が入れ替わる車両工場エリアにある。

EF200 形と、シキ 800 形。
前者は今春に全車引退、後者もこの 800 号が11月に引退(残る現役車は1両のみ)。最後の花道にと一般公開の機会を作ってくれたらしい。

機関車もさることながら、大物車という唯一無二の存在を至近距離で観察できる機会が貴重であることは、コレが入ると聴いただけでわかった。臨時列車での使用が多く、深夜帯の運行だったりすることもしばしばで、お目にかかるチャンスがかなり限られた車両。しかも近年は新造されておらず、もはやカテゴリー自体が風前の灯。置き物状態であろうと、実物に間に合ってよかった。
せっかくなので、すみからすみまでじっくり拝見しよう。

大物車とはその名の通り、特別でっかい荷物を運ぶための貨車。でかいイコール重い。重さを分散して受け止めるべく、普通の貨車とは比べものにならない数の車輪がついている。軸の数、実に16本。

工場エリアの特権、通路に上がって高所からも観察。手順を説明するプレートがつけられているのは、他の貨車と比べて使用機会が少ないからか、それとも JR 外の民間企業(日通)が所有していたからか。

荷物を運ぶ際は、中央部で切り離し、真ん中に荷物を挟み込む。積荷は、発電所や変電所で使う変圧器。

中央がもっとも重くなるという特性を考慮してか、車高は中央が高く、両端に向けて低く抑えられている。

我々が生まれる前に製造された 800 号。

近年もこまめにメンテされつつ使われてきたことがうかがえる。

リバーシブルな板の下段に記された数字は、重量 10t を1両分の重さとしてざっくり計算したもの。つまり積荷は 100t オーバーが常。業務用の変圧器って重いんやな。

それにしても、実運用時にはおよそ考えられなかったであろう間近での展示。とても大きすぎて画角内に収めるのも苦労する。こんなこともあろうかと、しっかり魚眼をお持ちの旦那さん。ではちょっと拝借。

変圧器を製造する会社は複数あり、規格も少しずつ異なるので、中央に継手をつけて各社の製品に対応していたという。中央下部、四角い板に丸いピンが刺さった部分かな。

梁の内側を覗き込む。には背が足らないので、ライブビューの力を借りて。左右からがっちりと大荷物を支える力強い構造は、こうして眺めているだけでも唯一無二の存在感が伝わってくる。

と、シキさんの存在が異色すぎて機関車が普通に見えてしまうが、EF200 もこれはこれで意義ある車両。後輩の桃太郎(EF210)に与えた影響は大きいそうで。

主な活躍舞台が東海道山陽だったこともあり、沿線に行けば見かける機会はちょいちょいあったように思う。

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