近江路はいつも波瀾万丈 (1) survival climb

関東に雪の知らせ。数日後には、あの一帯もまた白に染まるかも。
例の靴を買ったのは、あの日のためだったと言っても過言ではない。勿論今後もどんどん使うけど、初めて履いていきなり真価を発揮しまくってくれたのは確か。そんな24日のまとめ前編。写真は極めて少ないが、史上最強クラスにハードな前半行程だった。

わたしの思い付きは、皆様とのやりとりや口コミから生まれる。今回もそう。ふとしたきっかけから、未踏の場所をめざそうと決めたのは、その週の頭のこと。
息をのむ美しい朝日が辺りを包む中、家を飛び出した。うちからバス停までの急坂をものともしない完璧なクッション性に早速感動。ぺらい底のブーツとはやっぱり違うね。

現場到着。道なき道を探すのは、撮りを重ねるうちに慣れた。
ふと観ると、定員1名のベストポジションと思われる地点に先客さんが1組。下には安定した足場がないことが判り、上へ通してくださった。
…しかし、それは並大抵のことではなかった。

去年2月から3月にかけて、不破の関でえらい目に遭った時を彷彿とさせる急斜面。いや、状況は更に悪い。湿って滑る赤土。木を掴まなければ一歩踏み出すことすらままならない。実際、一度派手に滑って落ちかけて、必死で踏みとどまった。下に居られる方に迷惑をおかけする訳にはいかん。
膝から下もダウンジャケットも土まみれにしながら、落ちずに済む箇所と姿勢をやっとのことで発見。この局面でどうにかなったのは、間違いなくこの靴あってのこと。

と、そこへ現れた、沿線名物のあの車。先客さんのうちカメラをお持ちでないほうの方(指南役かな?)が、500系が行ったらすぐ撤収する旨を伝える。あちらの方曰く、つい最近ここで身を乗り出して通報された人がいたらしい。運転台からも丸見えなんで、できれば隠れててほしい、と。そういや巣箱も超こっち観とるし。
まぁ隠れるったって身動きできないわけですが。

問題なさそうと判断してもらえたのか、あの車は去った。さあ、6A が来る。

いやー、我ながらひどい。W らしさのためにはきちんと撮るべきパンタが思いっきり隠れちゃったし。望遠も足りてないし。直接ファインダーを覗いて撮れる状況になく、腰の高さでライブビューという体勢を考えると、まあ無理にも程があるなと。
多分もう来れないし。色々な意味で忘れられない1枚になりそう。

せっかくの思い出なので、パンタは入ったが1号車が切れた、10分前の B 編成も一緒に出しておく。

約束通り、全員速攻で撤退。そしてわたしは近くの公園で、泥を雪でこすり落とした。最寄り駅に辿り着いて「無事生還!」と思わずつぶやいた、午前の戦いの終わり。

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