駆け抜ける彩り (3) 物流を集めて

早咲き品種の桜がぼちぼち咲き始めた。一般的な時期に咲く木も、よーく観てみると丸々としたつぼみ。これは今月中に結構花開きそうですな。まあ自分は調子こいてあっちこっち観に行ける状況ではないんで、行ける範囲で花見を楽しめたらいいなと。
さて2月連休のおでかけ、後半はロケーションが変わるよ。

メトロ周辺を満喫した我々は、ここで思い切って大移動を敢行する。いうても大阪市内ですけど。

安治川口。もちろん降りたことはないので、いそいそと利用実績をつける。周囲は正直言って商業っ気がなく、郵便局の他には工場だのなんだのがあるくらい。だが、駅名だけは以前から頭に入っている。

その理由はホームから眺めたこの景色にある。桃太郎がのんびり昼寝している無数の線路の中。

当駅には旅客ホームと隣接して貨物駅が設けられている。かつて戸塚で何度か撮った佐川急便(スーパーレールカーゴ)などはここが終点に設定されており、名前だけ知っているのはそういうこと。

構内はホームからでもそこそこ広範囲を観察できる。せっかくなので鑑賞会。

お、噂をすれば佐川の箱。列車自体はお留守。

がっちりした ISO コンテナもいらっしゃる。やはり大阪の港湾地帯ともなれば、いろんな需要があるね。

そんな中、特定企業によるもうひとつの貸切列車を発見。あれは福山通運じゃないですか。しかも荷下ろし真っ最中。あとでスジを確認したところ、ちょい前に到着したばかりだったようだ。

コンテナをトップリフターで器用に持ち上げ、スーッと貨車から離れたところへトラックが後退して位置合わせ。

コンテナを積んでもらったトラックはすかさず発車していく。作業見物は楽しい。いくらでも観ていられる。

もちろん旅客列車も時々やってくる。

ダイヤの都合上なのか、当駅付近で上下線すれ違うことが多いように見受けられた。

運行頻度はそれなり。昼間は15分に1本程度、夕方には倍近く増えるようだ。隣はユニバの最寄り駅、土日の乗客の大半はそこが目的地。来園と帰宅の需要に合わせてのことだろう。

とりあえず、桜島線(ゆめ咲線ってのが今も落ち着かん)に「ふつう」の車両しか走ってないことはよくわかった。さてどうしようかと思案していたら、鳴り響く踏切の音。はて、電車はしばらく来ないはずだが。ということは、ひょっとして。

貨物きたー! 一見すると機関車だけのように見えるかもしれんが、間違いなく貨車を引いている。ふむ、あれがチキですか。レール運搬などに使う、普段そんなに見かけないタイプ。

しばらくして地上に動きが。係の人がブースについてなにやら操作、合図も出している。

すると、駅の奥から赤い機関車が姿を現した。これは HD300 形、ハイブリッド機関車である。

いったん踏切を渡ったのち、切り返して戻ってくるとさっきのチキの後ろにつけた。

そして何両か引き連れて出てくる。

どうやら、チキを数両ずつ分割して複数の線路に割り振っていたようだ。分岐が踏切より向こうなので、収納先が変わるたびに踏切を渡る。さっきのブースで手動制御なのだろう、開いたと思った踏切が速攻で閉まる。

最後に残った2両も所定の位置に収めて、HD くんの仕事は終了。身軽になって奥へ帰っていった。

外から見放題の貨物駅は限られている。普段観られない光景に立ち会えた喜びをかみしめつつ、残された課題を求めて移動。

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