緋色の散歩道 (3) 懐しの窯元

とうとう今週に入ってクマゼミさんもお出ましになり(梅田よりだいぶ遅いのは立地の差か)、昼も夜も真夏の服に切り替え、エアコンぶん回さないとやってらんない日が続いております。こればっかりは仕方ないね。いのちだいじに。
さて信楽めぐりは後半戦へ。

窯場坂を歩いていくと、曲がりくねった道に出会う。

その周辺に3つの窯元が隣接している。卯山窯さんは透け感ある製品を多く作っているようだ。

なんの変哲もないこの坂、実はロケ地。と、あとで入手したパンフに書いてあった。

振り返って景色を眺め、撮影に選ばれた理由を察する。眺めがほぼ昭和なのよ。現代の気配がほぼしない。昭和設定のロケには最高。

強いて言うなら、道端にたたずんでいるペンギンのセンスがいまどきに近いくらい。

そして、この坂を上ったところで、地味に気になっていた疑問点が解決する。

立匣鉢と継匣鉢。とは、火鉢などを焼く際に窯内で効率よく配置するために使われる台のこと。何度も使われたのであろう、役目を終えたものがこうして散策路沿いに並んでいる。

さっきからあちこちに置いてあって、なんやこの不思議な物体はと思ってたのよ。正体がわかってめっちゃすっきり。

でだ。ロケ地の坂に面して、もうひとつロケ地が登場。

って今でもバリバリにロケ歴 PR してんな。それ目当ての人が今でも一定数いる証。朝ドラパワーおそるべし。

そんな山文製陶所さんがこちらでございます。山と積まれた火鉢。というのも、ここでは現在も火鉢を作っているそうで、信楽でも数少ない(ひょっとすると唯一)貴重な窯元。ロケ地に採用されたのも「火鉢を作る窯元」としての側面があるのかも。

敷地内には一般向けのショップが設けてあり、ロケで使われた大道具(劇中での名称「丸熊陶業」)もちゃっかり展示。

現代の生活ではなかなか出番のない火鉢だが、鑑賞品として考えると綺麗なものだ。

さらに奥へ進むと、別の窯元がもうひとつ。

こちらもロケ地となった谷寛窯さん。敷地内には大きな建物。なんでも明治期の講堂を移築したらしく、ギャラリーと工房を兼ねている。せっかくなので全体を拝見、かつて使われていた重油窯に入ったり、こだわりが詰まった作品の数々を拝見したり。

せっかくなので本来の目的である器探しも試みたものの、そもそも当家の要件定義が特殊すぎるのだろう、用途にぴったりのものと出会うには至らず。他も当たってみよう。

別の棟内には近年新たに作ったという穴窯も。とにかく手間暇かかるって話だから、それでも穴窯でしか焼けぬ器があるということ。

そんな窯元見学を経て、さらにぶらぶら進む。

丸又窯。この登り窯は現役ではないが、今は近代化産業遺産として活用されている。

傍らにいくつも並ぶかえるの焼き物がかわいい。このモチーフはおみやげ枠でもよく売っており、たぬき同様に縁起物。

その先の道には、一目で黒酢用とわかる黒々した立派な壺が並ぶ区画も。

なお、登り窯に関しては日本一といわれる大きさを持つ宗陶苑さんもあったが、ここまでだいぶ歩いたので残り体力が少なく、遠く眺めるだけにとどめた。いくら傾斜が穏やかでも坂ばかり歩くとさすがに疲れるのよ。

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