霞か雲か旅路を覆う (4) 天然の吊橋

最近ほんとにお野菜が高うございまして、うかつにキャベツも買えない。ので、そこそこのお値段で済む地物野菜などの出番が多くなるわけで。幸いにして関西にいると玉ねぎだけは物量価格ともに安定しているのが助かる。地の利ですな。
さて帰省は早くも最終日、帰り道のあれやこれや。

あとは帰るだけ。だがしかし、ここに来て天気が大きく回復。終日行楽日和との見通しが出た。そこで寄り道スポットを急遽設定、午前中に実家をおいとました。またそのうちねー。
東へ向かう高速を途中で南に折れ、さらに下道を進んで到着。

大きな駐車場は、区画を選べる程度に空いていた。翌日からは大変だったろう。

おみやげ屋の一角に食堂を発見。ちょうどいいからここでお昼にしよう。

ここまでの道中はすでに「ひや」をチョイスしたくなる陽気であった。よーく冷えたそばをおいしくいただいて、さあ行くぞ。

と、さっきからちらほら書いてありますが、ここは祖谷。大歩危よりさらに奥へ分け入った、徳島県屈指の著名観光地である。以前の大歩危訪問時に寄らなかったのが不思議であり、移動時間を思うと見送ったのも納得であり。

建物を抜けて裏手へ出ると、そちらへ続く一本道。

ここからは実質一方通行となる。左側に架けられた橋を渡るのが定められた順路。

「それっぽい演出」を施されたアクセスルートは、ビュースポットも兼ねている。

あちらに見えますのが「祖谷のかずら橋」でございます。木以外の自然物で作られた橋を渡る機会は、現代だとそうそうあるものではない。これからアレを渡りに行く。

ちょっと行ったところに渡り口がある。

こちらへ伸びている蔓製のロープが橋の要となっているようだ。よーく観たら芯は金属ワイヤー。うん、風情より安全性っすよ。

橋のたもとで、保存費用に充てるであろう料金を支払い、いよいよ橋上へ。

て、思ってたより床の隙間がでかいな! すっぽ抜けそうな感があり、踏む場所を慎重に選びながらでないと進めない。一方で旦那さんは涼しい顔。片足で床材2本を余裕で踏めたと言っていたから、足のサイズ次第で「こわい度」が変わるのではなかろうか。

尻込みしつつかろうじて写真は撮りつつ、じわじわと前進。

あの岩場を渡るよりは安全確実なんだろうけど、いやはやそれにしても。

ふぅ。長いようで短いひとときだった。ゆっくり渡っても5分はかからない。

ついでに周辺をちょっと散策。

改めて横から観てもまあまあ高さあるよな。

河原へ続く階段を上流側で発見。案内板も出ているし、降りてよさそうなので降りてみた。大小の岩に囲まれて、澄んだ水が絶えず流れる。なにかの魚影も見かけた。

地名に谷とつくのは伊達じゃなく、川の両岸は山に囲まれている。橋もまた、この地形で暮らすための工夫の一部なのだろう。

平成期の護岸工事で、景観に合わせて岩に擬態した壁が作られたようだ。そこらへんの岩によく似ている。いい仕事。

ちなみに、散策のきっかけとなったのは付近にある「琵琶の滝」。この一帯、平家が落ち延びた伝説があるらしい。確かにこんな山奥までは追っ手もなかなか来なかろう。

こうして橋渡りを終え、駐車場付近へ帰還。

橋は3年に一度架け替えるらしい。次は令和9年。て、今年替えたてほやほやかい! なんも知らずに来たが、絶妙のタイミングであった。

平家よろしくアクセス困難なお住まいの皆様に思いを馳せつつ、車へと乗り込んだ。

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