Sweet 10 Journey (17) 名水の源泉池

ラーメンズの小林さん引退の報に驚く。ピタゴラで知った方だが、実際の出会いはもっと早かった。近い世代の方なら「新橋」「千葉滋賀佐賀」は経由してるんちゃう? 今後は裏方に専念とのことで、どこかでお仕事に巡り会うこともあるだろうか。
さて秋の豪遊3日め、引き続き阿蘇界隈から。

阿蘇をめざすこと以降の予定は特に決めていなかった。せっかくここまで来たので、違う方角に抜けてみよう。

山上から南へ通じる一本道を下っていく。烏帽子岳はなおも険しい稜線を見せつける。
中岳山上を出てまもない時点で、阿蘇市から南阿蘇村に入る。草千里と山上で立ち寄った施設もろもろはすべて阿蘇市、草千里の原っぱは南阿蘇村。まず立野駅付近も南阿蘇村なので、さっきから村と市を出入りしていることになる。

しばらく行ってトンネルを抜けたところに、景色のよさげなミニ駐車スペースを発見。当家以外にも立ち寄る車があったので、考えることはみんな同じなのだろう。

若干なだらかな表情の斜面。から西に広がる山肌を眺めていて、ふと気づく。あれはもしや。よく見えないので、いっぺん片づけていた大きなカメラをごそごそ。

あちら。木立の向こうに広がる丘のような草原のあたり、なにか点々と動くものがいる。

牛の御一行様だった。おそらくは世に言う「阿蘇のあか牛」で、早い話がブランド肉牛。広い草原でのびのび育って、さぞおいしいことだろう。天草でもらった、海のものも山のものも揃う熊本特産品の敷き紙を思い出す。

さらに進むとやがて視界が開け、眼下に南側の盆地が見えてくる。

ちょうど収穫期なのだろう、あちこちから上がる煙。

南阿蘇村は今世紀に入って3つの村が合併、なぜか町にはならず今に至る。ふもとに下りて向かったのは、このエリアで有名なものとしてよく耳にするスポット。

神社へおまいりしているように見えて、本題はその境内、神社本体以外にある。南阿蘇村湧水群と総称される湧水が村内にいくつか点在しており、その中でも代表的と思われる白川水源がこちら。熊本市内まで流れている白川の水は、このあたりから来ているんだな。

きれいな水環境を守るためのささやかな額(100 円)を投じて境内へ。
ひときわ大きな池に、平日をものともせずそれなりに人が集まっている。どれどれ。

これは驚いた。一目でわかるほど、すごい勢いで水が湧き出している。水底の砂を巻き上げ、細かい波紋を無限に生み出しながら、絶え間なくふつふつと。静止画ではまるで伝わらんのが残念。

そして特筆すべきはその透明度。太陽に照らされた箇所では底に生えた苔を浮き立たせ、地上にあるかのようにくっきりと。

水中の魚もまるで浮いているみたいに、輪郭の立った影を砂に落とす。
湧水の量は毎分60トンにも及ぶとのことで、つまりは1秒に1トン。今湧いた水もあっという間にここから旅立ってしまっていることだろう。それだけの豊富な水量と、澄んだ水を生み出す周辺環境が、資源だけでなく小さな絶景も生んでいる。

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