あたらしい旅行様式 (8) 宝石を抱く山・3

週末に買いきれなかったものを集めに駅前へ。ちゃりでの行き来が心地よい天気。が、最近の冷え込みを念頭に置いた装備は正しかった。ウインドブレーカーないと厳しいし、手袋ないと指が無理。紅葉も始まってるし、じわじわ進む季節であった。
さて夏の長崎、稲佐山にて2日めラスト。

日没時刻からおよそ30分。そろそろお楽しみタイムの始まり。外周の手すりがどんどん埋まる中、空いてるところに失礼して。

誰が言ったか知らないが日本三大夜景の一角を占め、100 万ドルとも 1000 万ドルともいわれる、稲佐山からの夜景。

煌々と輝く駅。奥へ続くあかりは、蛍茶屋方面から山を越えて雲仙が見える海沿いに抜ける道筋。

オレンジの光がひときわ目をひく大波止周辺。沿岸からちょっとだけ奥、十八銀行の本店ビルもなかなかの存在感。

造船所の工場から漏れる光。クレーンも照らされ、独特のフォルムを暗い海に描いている。

街あかりと空のバランスは、数分ごとにどんどん変化していく。

懸念された視程の悪さは、結果として陽が沈むことで少しましになったように感じられた。光を放つ市街地のパワーが、もやに打ち勝ったとでもいうか。

女神大橋がライトアップされ、優美な姿をくっきり見せる。橋をくぐって入港した船は光跡に。

撮り始めて10分少々ですっかり暗くなり、山の稜線が夜空に溶けて消えると、いよいよ光の粒子だけが闇に浮かび上がる。

まばゆい天の川を地上に置くがごとし。わざわざ観に来るだけの価値はあった。

素晴らしい夜景を堪能したら、もう20時過ぎ。おなかすいたし、地上に帰ろう。

往路と違い、下りのロープウェイはそこそこ賑わっていた。我々はちょっとだけ早く現地入りすることで、上りで混雑を避けることができたようだ。あとはふもとからバスで都心に戻り、電車へ乗り換えて思案橋方面へ。

電車では、関西で一切観たことのないタイプの「対策」。そういや、昼間どこかで見かけた小さな飲食店は「県外の方はご遠慮ください」との張り紙を出していたっけな。その1軒以外に類例は観なかったけど、患者数の少ない地方都市がいかに神経を尖らせているかを実感。
一方で、観光客相手の施設では、もちろん対策に注力しつつ普通に迎え入れてくれた。アルコール消毒からの検温、大規模なところでは記名(原爆資料館とか)。よそ者としては、言われる前から積極的に消毒液へ手を伸ばすことで、先方への気遣いを表現してみたり。

以前の旅でぶらり寄ってうまかったお店は、残念ながらなくなっていた。すでに21時、開いている店も少ない。観光通り方面まで含めてしばらくさまよった結果、ようやく夕飯処決定。

「さかな市場」さん。住所は銅座。中華街から水路をはさんですぐだったことをあとで知る。

入店の決め手は、おもてに書かれていたイカの文字。さばきたてで身体の模様がコロコロ変わる、誰が観ても新鮮なやつ。などなど、海のものを中心においしくいただいて、本日の行程は終了。

お宿への帰り道、セブンに寄ったら九州民御用達アイスを2種発見。今日はブラックモンブランで締めよう。

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