異邦人、香港に願う (10) 浅水観音

午後から雨というんですぐ降るのかと思いきや、実際に降り始めたのはそこそこ夕方になってからだった。が、降り始めると時折わりと雨足強めになることもしばしば。朝まで降って気温がぐっと下がるようだから、また体調悪くせんように気をつけよう。
さて、南香港の平和な日曜日は少々場所を変えて。

10分少々揺られたバスを、今度は途中下車。

海へと向かう階段を下りていく。つまり、帰ってくるときは同じだけ上るってことやな。

ここは浅水湾(Repulse Bay)。トンネル出口と赤柱の中間地点あたりに位置する、海水浴場を中心としたリゾート地。ただ日本人の感覚で現地を観ると、砂浜のど真ん中に並木が形成されているのはなんだか不思議。木陰で休むにはちょうどいいのか。

確かにとっても暑く、水遊びにも最適なお天気だが、我々は別に海水浴をしに来たわけではない。砂浜の南東端にある、また異なる意味での観光名所を見物するのが目的。

鎮海樓公園。おそらく文字通りの意味で、これまた航海の安全を願って造られたものであろう。

神社の鳥居をゴージャスにしたかのような、どことなく馴染みある形状の門をくぐって進む。

海の方を向いた建物と、両脇に大きな像が2体。鎮海樓の額を掲げたこの建物、数ある天后廟のひとつっぽいけど、よく観たら階段上がってすぐんとこ、まるでただの売店である。本来の役割は上層階が持っているのかな。

どちらかといえば、観音様に目を奪われがち。午後の陽射しを受けて白いお召し物がいよいよまぶしい。

ここへ寄ったのは、赤柱行きのバスが経由するから。個人旅行にしろツアーにしろ、あちらとセットで訪問する観光客は相当数いるのではないだろうか。と考えるのには、もちろん根拠がありまして。

返還前のツアーで実際にハシゴしたから。さっき降りたバス停付近の駐車場には大型バスも多かったし、今でも定番コースとして選ばれているに違いない。

なわけで、これまた20数年ぶりの復習達成。天気って大事やね。
これらが作られたのは 1970 年代とのこと。今回より97年の写真のほうが塗装が綺麗であるように見えることを考えると、きっとまたそのうち塗り直すんやろな。

手前の橋は、その名もズバリ「長寿橋」。こっちから海側へ渡ると、寿命が3日伸びるという。という説明を読んだ時点でなんとなく察したけど、反対方向に渡ったらご利益が台無しなので注意(お帰りは橋の奥から)。たかが3日、されど3日。お作法を守って渡り、海へと張り出した区画へ。

さまざまなタイプのお願いごとを聞いてくれる、無数の神様の像が点在する。

なんでもお願いしていいらしいとはいえ、欲張りすぎてはろくなことがなさそうと心配する小心者。祈るというよりは無心で向き合いつつ、造形物として拝見。

いかにも現代的な建物の足元に、いかにも中華圏まるだしの極彩色ワールド。それもまた香港らしい一面。

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