西湘早春賦 (1) 蝋の花咲く

昨今は写真界隈いろいろあるようなので、今日掲載分から試験的にサインの入れ方を変えてみる。もっとも「勝手に持っていかれるほど素晴らしい作品」を自分が撮れているかというと、それはまた別のお話でして。
そんなこんなで今回は出しそびれネタその2、2月初旬のこと。

翌週札幌ということもあり、無茶な遠出はやめましょう。そこで向かったのが県内のとある地区。

朝っぱらに出て9時頃の到着。まだ陽の当たってない畑には、大量の霜柱も観測された。

山間に広がる茶畑その他諸々。まるで静岡のようだが、それもそのはず、ここは県西部。大井松田 IC からまっすぐ北上したくらいの地点にある、寄という地区。これ1文字で「やどりき」だから間違いなく難読地名の類に入るであろう。

当地区にはロウバイ園があり、開花するこの時期に合わせてロウバイまつりが開かれる。以前より旦那さんに「ロウバイは蝋っぽいから蝋梅というんだよ、あと香りが独特」とは聴いていたものの、いまいちピンと来ない。そこで、やっぱ百聞は一見に如かずでしょ、と実物を観に来た次第。
臨時駐車場からしばらく集落の坂を上ると、斜面の一角が黄色く染まっていた。

ほほぅ。確かに花びらは蝋のような質感をしている。

照りがあるというか、光を受けててかてかする感じが非常に興味深い。もはや人工物っぽい雰囲気すらあるが、まぎれもなく生花。

木の本数自体かなりあるのを活かして、いろんな角度での撮影を試みる。

しかし今回マクロレンズを持ち込んでみたのだが、これがまた極めて難しい。当たり前なんだけどピントがとっても浅いもんで、近寄れる位置で花の形を選ぶだけでもひと苦労。

望遠も持ち込んでおります。なかなかオフィシャルポスターのようによくできた構図が作れん。そこにこだわっていたら旦那さんに置いてかれることもしばしば。

いつも言ってることだけど、我々は普段無機物ばっかり撮っているので有機物にはめっぽう弱い。弱いなりにがんばってはいます。

開花状況は木や枝によってまちまち。中まで真っ黄色だから、ここの木はソシンロウバイという品種らしい。

つぼみは開いた花より更に蝋っぽさを強く感じる。レモンの実のようでもあるな。

香りが独特というのは現地で実感。枝に鼻を近づけると、確かに不思議な匂い。くどくない芳香剤というか、甘いものを濃縮してるっぽいけど不快ではないというか。これは実地体験せんとわからんねぇ。

と、ああだこうだと楽しんでいたらあっという間に1時間経過。あらびっくり。

花自体がマイナー気味なのか、はたまた場所が辺鄙なためか。園内の客層は我々と同世代レベルが一番若い部類で、概ね中高年の皆様が中心だった。
麓に戻って、駐車場近くで売っていたみかんをおみやげに買って車に乗り込んだ。

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