欧羅巴幻想曲 II ヴェネツィア、水の都 (13) Fondamenta Orseolo

夏も本番ということで、出かけるとき気をつける2大ポイントが「水分補給」と「虫対策」。前者は水筒に麦茶入れてけば済むのでいいとして、服の上からでも刺されてしまうのはどーすりゃええのか。着る前に全身虫よけスプレーまでせんと駄目か。
まあそれはさておき、ヴェネツィアはここから2日め。

翌朝。窓を開けると、狭いながらもそれなりにヴェネツィアらしい景色。

同じくらいの高さでひしめき合う建物に、細い水路、それを渡る小さな橋。起きてすぐこのロケーションに囲まれていることが、本島に泊まる価値のひとつでもあると実感する。

身支度を整えて、まずは朝食。会場に指定された、地上階のレストランに向かう。

テラス席が空いていた。観ての通り屋外直結、背後は水路。運河沿いのお高い店に入らずとも、当地の醍醐味は充分味わえそうだ。すかさず場所取りをして、ひととおり食べたいものを持ってくる。
ミラノで書いたように、今回の旅で滞在したお宿3軒いずれも、朝食ビュッフェは似たような感じ。パンは複数種、ハムチーズは基本、野菜少なめ。このあとデザートにクレームブリュレを持ってきたんだが、さすがの欧州クオリティ、めっちゃ甘かった。コーヒーが進む。

食べている最中にも気になることがある。そこの水路、ゴンドラやタクシーが行き交うものというイメージだったけど、どうやら朝だけは様子が違うらしい。

ちょうどここで丁字路になっている水路を、荷物満載の小型ボートが、まるで車と同じように上手に切り返しては去っていく。前後に進むのはマスコンのようなもので行い、左右の舵取りは船尾の板で。その鮮やかな手さばきは壮観。
この切り返しの見事さを記録しておきたく、動画も撮ってみた。

ボートが運んでいるのは、リネンや食料などの荷物。ホテルや商店において、普通の陸地ならトラックが搬出入に動くところ、車のない世界ではすべてがボートに置き換わっている。

どれも動力付き(つまりモーターボート)なので結構賑やか。だから夜間にやるわけにもいかず、朝になって一斉に動くのかもしれん。

いかにも観光地らしい絵とは一線を画した、けれど観光産業を支える大事な縁の下。我々が島内で買うもの食べるものも、こうして運ばれているのだろう。

中には車載ならぬ船載クレーンまで装備したものまで。ところ変わればとはよく言ったもので。

好奇心を刺激された朝食を終え、あとは手荷物をまとめて出発。朝から晩までヴェネツィア三昧の1日、たっぷり楽しもう。

業務用ボートは、8時過ぎ頃までに大半が捌けていた。ゴンドラがどっと出てくるまでの間、束の間の静かな水路。

今日も例のスーパーで水を買うところからスタート。そこのボートに積まれた大量の飲み物、あれこそスーパーの搬入物かも。

水のついでにインクの切れたペンを買い換えて出てきたら、続々と抜けていくタクシー。

そしてゴンドラもどんどん流れてくる。

そんな光景を眺めながら、サンマルコにやってきた。今日はアレからスタートしよう。

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