欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (27) Frecciarossa 9715 : 1

令和初の(って言い回しもそろそろ出尽くした感)ヘアサロンへ。過去にあまり当たったことのない担当さんだったけど、概ねこちらの要望通りに仕上げてくれてナイス。しかし、別の客がよくしゃべることしゃべること。店内ほぼ独演会状態。
さてイタリア4日め、乗ること自体が大きな目的でもあった列車のお話。

発車まで余裕があることを確認した上で、進行方向寄りに歩いてきてみた。

改めて見事な屋根である。鉄骨が描く曲線の美しさと、圧倒的なスケール感。

築80年は軽く行ってるのに現役なのがさらにすごい。いくらでも眺めてられるけど、そろそろ発車ホームを確かめに終端まで戻らんとね。乗車に備えて一眼をしまう。と、そこへ。

これはこれは Nightjet さんじゃないすか。おひさしぶりー。いや、乗ったことはないけど観たことならウィーンで
NJ233(ウィーン発)+NJ40295(ミュンヘン発)。それぞれミラノ行きとローマ行きの併結で出発、途中フィラッハで行先別に客車を組み直し、機関車も FS 車につけかえてここまでやってきた。定刻より十数分程度の遅延で済んでるのは、夜行としてはよくやってる方やね。

「当家の乗るやつ」Frecciarossa 9:45 ヴェネツィアゆきは、さっき見えたものではなく、さらに東側に入った車両だった。

列車番号の先頭にくっついてる “AV” は alta velocità(=high speed)の略と思われる。IC や EC といった特急よりもさらに格上の扱いで、最高速度も区間によっては速いので、日本で例えるならやっぱり新幹線ポジション。
あと10分で発車。「発車1分前にドアを閉めます」ってきっぷにも書いてあったし、さっさと乗ろう。

なお、乗車口はそんなにバリアフリーではない。ステップ4段ファイト一発。

初乗車ということもあり、座席は Standard よりちょっとだけ奮発して Business クラスを選択した。

席配置は2列+1列。頭上の棚には、うちのそこそこでかいカートもなんとか載る。通路の天井には見やすい案内表示器。各駅到着時刻(や天気)、次駅の乗り換え案内、現在位置、遅延の有無までいろいろと出してくれる。

シートはいわゆる集団お見合いではなく、前後向かい合わせの状態で固定。2列側の4人ボックス席はまるで会議室。当家の隣では、いかにもビジネスなおじさま方が途中まで乗車していた。つーかビジネス客の方が圧倒的だった気がする。

1列側は2人旅の当家にぴったり。テーブルは折りたたんで大小使い分けられる。そしてテーブルの根元はまさかのゴミ箱。シート表面は観ての通り革張り。そこまですべることもなく、座り心地よし。

車内改札が来るより早く、回ってきたのは車内サービス。

新幹線のワゴン販売とそっくりなスタイルだが、ビジネス以上のクラスでは無料でふるまわれる。やったね。だがしかし、隣のおじさま方に誤ってコーラをサーブした係員氏、当家がコーヒーをお願いしたどさくさに紛れて「コーラいる?」。

まあええわもらっとこ。本来は1人1杯です。
イタリアの著名なコーヒーブランド illy のエスプレッソに、コーヒーによく合うお菓子(おそらく日替わり。このときはチェリーパイ)、さらにお手拭きまで。料金内とはいえちょっと得した気分。

途中、ちょっとだけ車内探検もしてきた。

5号車の半分を使って設けられた Bistrot。観た感じはビュッフェやね。記念になにか頼もうかと思ったけど、さっき飲んだのとまったく同じであろう illy のエスプレッソってメニューに書いてあったのでやめといた。

惜しむらくは、今回乗車した区間は高速新線の整備があまり進んでおらず、はっきり確認できた速度は在来区間の 218km/h が最高。そんな道中およそ2時間半、車窓からもいろいろなものを観た。それについては次回ね。

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