欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (28) Frecciarossa 9715 : 2

ぼちぼちの天気、昼間から外出も考えたんだけど、なんとなく気分が乗らなくて家でだらだら。すると、午後に突然のお荷物配送。ふるさと納税の返礼品だった。昨日も出かけてる間に別の品が来たんだよなぁ。今日はすぐ受け取れてよかった。
ではイタリア4日め、赤い電車(なんかちがう)で観た景色のお話。

車窓からお国柄や土地柄をうかがい知れることがある。農産物が見える場合は特に。

刈り取った草をまとめたロールが大量にごろんごろん。こんな風景を何度も観た。やっぱり牧草というよりは麦だろうか。言わずと知れたパスタとピザの国、パニーニなどもあるし、小麦の消費量は半端ないはず。

旅程の中盤に多く出会ったのはぶどう畑。もちろんワインの元になる。しかも、ミラノがあるロンバルディア州の隣はすぐ、ヴェネツィアがあるヴェネト州。同州の名産が、滞在中何度もおいしくいただいたプロセッコ。DOC 制度により産地が極めて限られており、この電車が経由するエリアではなかったっぽいけど、いずれにせよワインの生産が盛んであろうことは確か。

2つの州にまたがるガルダ湖は、イタリア最大の湖。この付近は、いかにもレジャーに向いた雰囲気が濃厚に漂ってくる。

湖畔観光に使われる大きな駅 Desenzano の手前。起伏ある広大な緑地と芝生に、初見でゴルフ場かと勘違いしてしまったのは Giardino Bagoda という植物園のようなもの。

州を越えた後、川を渡ってまもなくの駅 Peschiera Del Garda には、遊園地の看板や「リゾート」の文字が見えていた。

隣の4人席にいたビジネスおじさま方が降りていったのはヴェローナ。古い街並みを残しつつ、商工業も盛んな都市。彼らも商談かなにかだろうか。

ん? あんなところに大量のクルマ。複数車種を積んでいるようだが、半数は一見してそれとわかる Fiat 500。鉄道貨物の荷として自動車を観る機会が、ヨーロッパでは多い。そういや、別の場所で VW ロゴのついた工場らしき拠点も窓から見えたな。

大半は高速線でこそないものの、途中の主要都市に止まりながら、ざっくり言えばひたすら東をめざす線路。

道中の大半は、当家が座った窓と反対側、進行方向左側にだけ山が見えるような地形だった。イタリアと隣国、スイスやオーストリアとを隔てる山脈の、裾野部分に沿って走っている。

ヴェネツィア市域に入る手前でパドヴァにも停車。

ここもまた街の歴史は古そうだが、戦争で焼けるなどしたのか新しい建物も見える。

そろそろ最後の停車駅。右側に多数の線路が並ぶようになり、なんとなく眺めていると。

にわかに色めき立つ旦那さん。えっ、アレがかの有名なオリエント急行の客車? こんなところでお目にかかるとは。イタリア国内のあれこれ調べるので手いっぱい、他国からの列車は全然頭に入ってなかったけど、あらかじめ運行日を調べておけば走行姿を拝めた可能性すらあったのか。

などと驚きつつ、ずいぶんと現代的なメストレを抜けていく。

まもなく線路は海を渡る橋に入り、そしていよいよ2つめの目的地たる終点へと向かう。

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