欧羅巴円舞曲 I ブダペストの空 (7) Gyermekvasút : 1

すっかり夏らしいお天気が続くようになったところで、明日から3連休。だがしかし、例によって「海外帰りに国内ネタがなかなか浮かばない法則」が今回も適用されておりまして、現時点で何して遊ぶか未定。あとでもうちょっと考えよう。
さて欧州旅ですが、ここからが2日め午前のハイライト。

登山鉄道そのものもさることながら、この日午前のメインイベントとなる別の鉄道もまた独特なもの。ものの2、3分歩くと、始発駅に着く。

あ、なるほど。vasút=鉄道、ね。
これは「子供鉄道」といって、技術サポート以外の鉄道業務大半を、日本でいう小学校高学年から中学生くらいの子たちが担当する路線。要は共産時代の教育システムの一環なんだが、今も続いているということは何かしら効果か人気があるのだろう。

駅舎は外観内装ともに、簡素ながらも味わい深さがあり、日本で時々見かけるローカル線に通じるものも感じられる。

でだ。ここは BKK ではなく、ハンガリー国鉄に相当する MÁV の管轄。きっぷを買いましょう。

きっぷ売場にはこの日、高学年くらいの男の子と女の子が1人ずつ。我々の英語がへたくそなのか、それとも彼らの英語が学習途上なのか、ともかく「大人片道2枚」をお伝えするのに若干苦労。カウンターをガン見したら目的のきっぷが机上に見えたため、ガラス越しに指さすことで最終的には無事購入できた。やっぱ少しはマジャール語(=ハンガリー語)勉強しておくべきだったか。
ということで片道 800Ft でございます。安いね(320円)。なお彼らの名誉のために言っておくと、英語の数字はちゃんと言えてたよ。

わりとすぐ発車しそうだったので、とりあえず乗車。ほどなく乗務員&地上係員による安全確認ののち、出発進行。

機関車に2両連結された客車のうち、オープンデッキの2両めを迷わず選ぶ旦那さん。なんかトロッコ列車っぽいな。おろち号とかああいう感じの。
発車後まもなく検札、さらになんと車内販売。後ろ姿の時点でもうかわいい(前向いてもやっぱりかわいい)そこの車掌女子さん、乗客1組ずつ回って何してんのかと思ったら、手作り感満載の鉄道写真柄缶バッジを売り歩いていた。そんなん買うでしょ。我々のとこにも来てくれたので、応援を込めてお買い上げ。おひとつ 300Ft、乗ったらおみやげに是非。

10分足らず行ったところで、小さな駅 Normafa に停車。

対向列車との行き違いが行われた。ナローゲージだから幅はないけど、それでもごつい機関車。デッキ車と窓あり車の配置が逆なこと以外は、乗車中の列車とほぼ同様のビジュアル。

こちらが先に発車。双方の乗務員同士が敬礼を交わす。任務としてやってるからキリッとしてんのは当然としても、その所作には往時の面影がにじむ。いや、昔どうだったかは知らんけど一般的な東側のイメージとしてね。

当路線はほぼ全体が、ブダの西端に位置する山地に敷設されている。車窓の多くは森林。ほぼ「走る森林浴」。天気よくて本当に助かった。

ところどころに、小さいけどきちんとお手入れされていそうな駅が現れる。

あと山なので当然、勾配ありカーブあり。日本の山間部もびっくりの必殺徐行シーンもしばしば。

駅間の長いところでは、乗務員諸氏も着席(この列車は空いてたからね)。制服の左上腕には、子供鉄道のシンボルマークと思われるワッペンがつけられていた。きっと代々受け継いで使うのだろう、服のサイズがちょっと合ってないのはご愛嬌。

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