欧羅巴円舞曲 I ブダペストの空 (6) Fogaskerekű Vasút

旅行前に行けなかった分まで髪を切る。すっきりしたー。で、今回は珍しく本も読まずにトークが盛り上がったのだが、お題が「田舎暮らしとプチ農業」。意外とそう遠くないところに、うちの実家みたいなライフスタイルのご家庭もあるんやね。
さて欧州旅2日め、移動の経過もまたイベントのようなもので。

移動といっても、さっき乗ったタトラはわずか2駅、Városmajor で下車。降りた電停のすぐ近くに、なにやら雰囲気のある入口が待っている。

いきなり本題から逸れるけど、それイタリアじゃないからね。当然ハンガリーだよ。緑白赤が左から並んでる方がイタリア。これは赤白緑が上から並ぶ配色。て、自分も今回来るまであんまり認識してなかったから、えらそうなことは言わずにおこう。共産時代は中央にソ連風のエンブレムが入ってて、動乱の際に取ったとかなんとか。

なんの入口かと言うと、乗り継ぎ先の系統・60番。ここまで乗ってきた59番や61番が通る電停と別になっているのには、もちろん理由がある。

線路と線路の間がポイント。ラックレール使ってるんですわ、ここ。ただし日本にもある(大井川とか)アプト式ではなく、シュトループ式といって歯の構造がよりシンプルなタイプ。開業時はさらに異なるリッゲンバッハ式で、40年ちょい前の地上設備更新の際に方式転換して今に至る。
いずれにせよ、この先に急勾配が待っている証左でもある。その名もズバリ「登山鉄道」。

走るのはこんな車両。先発は山上に向かって右のホームから。反対側のホームにいた車両は、ほどなく車庫へ入っていった。

時刻表はあってないようなものなのか。我々と数組の家族連れがのんびり待っていると、定刻からやや遅れて電車到着。

て、すんごい幅広いというか平べったい縦横比やなぁ。正面の2枚窓はどこか昔の湘南電車のようでもあり、配色は若干ウィーンとかぶっているようでもあり。いろいろ想起させるものが。

乗ってみると多少の古さこそあるものの、普通にきちんと整備されていて違和感はない。特筆するとしたら、椅子が傾斜前提の構造になってることくらいか。ほら、山上側の方がちょっと座面が高いやん。

扉と座席エリアを仕切るように板が設けられているのは寒さ対策かな。夏だからよくわからんけど、冬なら少しは意味ありそう。
んで肝心の乗り心地なんすけど、なかなか豪快。ラックレーるあるあるといえばそうかもしれない。要はそれなりに振動が結構ございまして、おもしろがって動画撮ってみたけどわりと揺さぶられてる。まあ我々はほぼアトラクションとして乗ってるからええけども、山の上にお住まいの方は他に公共交通ないと思うんで大変やなぁ。慣れるか。

途中駅で下り電車とのすれ違いを複数挟みつつ、20分ほどで終点の Széchenyi-hegy, Gyermekvasút に到着。えらい長いのはこの先の乗り継ぎ路線に言及しているからで、我々の目的も当然そちらにあるわけで。

家族連れのみなさんはてっきり仲間かと思いきや、この駅付近の公園を目指していた人もそこそこいたようだ。

ともあれ、我々は駅を出てすぐ左のまっすぐな道をてくてく登り、次に利用する駅を目指す。

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