オトナの修学旅行・斑鳩編 (5) 江戸の町に歩く
21 Sep 2020
この4連休で唯一、事前にある程度想定していた方の用事を本日敢行。勢いでちょっとばかり遠出することとなったが、結果としていろいろおもしろかったのでよし。土曜も次点候補の用事をたっぷり堪能。天気もよかったし、いい気分転換ができたわ。
なわけで先月の奈良あっちこっちの巻ラスト。
いきなり昔話で恐縮だが、4年ほど前のこと。仕事の納期が連休明けとなり、1日ばかり休日返上、旦那さんには放牧に出てもらったことがあった。その際に訪問したという場所が、これまた奈良盆地の中にある。もうここまで来たらついでに寄ってしまえと、今度は一路南へ。着いたところは橿原市。
今井町。もうおわかりかと思うが、例の伝統的なんちゃら(重伝建)でございます。
到着した時点で、我々には大きなリミットが課せられていた。時間ではなく、雨雲さん。見るからにあかん色合いの空。なんとなく遠方からゴロゴロいう音もする。えーい、降るまでが勝負だ。駐車場に車を置いて、ともかく町の中へ。
玄関先で花を丁寧に育てているご家庭が、いつもながらこの手の町には多い。
現代の暮らしに沿った商店が上手に溶け込んでいるのも、よく見かける景色。
観光客の姿はそこまで多くはなかったように思える。時間帯もあるし、ただでさえ暑い盆地は夏以外のほうが好まれる側面もあるかもしれんし。
現在のような町が形成されたのは戦国時代、ちょうど今年の大河で舞台となっている頃のこと。
どの道も今でいう車1台分くらいの幅しかなく、奥が見通せないよう曲がったりしているのは、その成り立ちの名残を感じさせる。
それでも表通りはまだ広い方で、ちょっと路地を覗き込めばこの狭さ。
町の外周に出る道では、足元に門が描かれている。信長の活躍期に自治権を獲得したのち、秀吉の認可を得て設けられたもので、当時としてはかなり厚遇を受けた特区であったらしい。
これまで同様に数々の町におじゃましてきた中で、区画によって少しずつ建物の表情が異なるという経験を何度かしている。この町もそういうタイプのようで。
ほぼ平屋に近く、対面の家どうしも密集して感じられる場所もあれば、
高さがあるため上階の白壁が際立つ、堂々たる大きさの家が並ぶ地点も。こちらは現役の造り酒屋(重要文化財)。
なお、歴史の古さもあってか、地区内に占める伝統的建造物の数がやたら多いのも当地の特徴らしい。ところどころに設置してあるざっくりマップと道標を頼りに歩いた結果、5棟以上の重文物件に出会った。雨の心配をして駆け足で巡っている時でさえなければ、紙マップなど手に入れてじっくり回ったほうがいいやつですな。
ちょっとおもしろかったのが、町内に複数設けてある防火水槽のひとつ。本来の機能とあまり関係なさそうなデザインが施されている。もしかして明日香村の亀形石造物リスペクトっすか。奈良だし。
そんなこんなで、大急ぎながらもなかなか楽しめた怒涛の30分。
マイカーに収まった我々の目の前で、フロントグラスに落ち始める雨粒。直接濡れることだけは回避したものの、南河内を抜けるまでの道中は滝のような雨と頻繁な雷。肝を冷やしながらの帰路となったのであった。
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