Report – TETSUYA KOMURO Online Program「Ground TK」001 : 2020.09.12

復帰発表からそろそろ2ヶ月。ついに先生本人としての活動再開ということで、第一報を耳にして即インスタフォロー、勢いでイープラ配信チケット購入。ただ当日の生配信タイム(土曜昼過ぎ)は所用のため、翌週土曜まで見放題なアーカイブの恩恵にあずかった。流れゆくトークの内容を、ガンガン一時停止してしっかり咀嚼する(要は書き起こし)にもありがたい機能。
有料配信物を全部起こすのはアレだけど、期間限定で消えるコンテンツでもあるんで、配信終了を待った上でライブのメモくらいのざっくり精度で記録に残しておくよ。

もくじ

part 1 / 音楽とアートの講義

原点回帰、”back to analog synthsizer” について、シンセ2台とともに語った正味12分。ここだけ事前収録分。
音楽室のピアノで Let it be を弾き鍵盤の楽しさを知り、165,000 円の小さなシンセを購入し、特性に気づいて「好きな楽器」になった中学時代のこと。生楽器とは似て非なる自由な音が作れるなど、シンセに魅せられた過程を語ってくれた中で、

音階が1段階ずつ切り替わるピアノが「デジタル」で、無段階で移行できるシンセが「アナログ」

このくだり(大意)がとにかく目から鱗の発想やった。電子機器か否かではなく、アウトプットだけに着目すると確かにそうなるわ。

part 2 / 小室哲哉×河瀨直美トーク

渋谷の街を背景に30分弱。対談のお相手が畑違いながら芸術クリエイターだったからなのか、それとも久々に「おもて」に立って話したいことがたくさんあったのか。ともかく、想像をはるかに超える「つっこんだ話」が先生の口からぽろぽろと溢れてきて大変驚いた。

18年の「引退表明」について

今考えると心の底からやめたかったわけではなく、無謀なことを言った。定年のようなものという認識がある一方、行き詰まっていた面もあり、当日は家でいっぺん号泣してからの会見だった。

復帰を決めた心境と背景

楽器にも音楽にも触れず1年が過ぎ、耳の治療等も含めて2年数ヶ月経過。そこへコロナで緊急事態発令。みんなが仕事や趣味を強制的に我慢させられる中、自分は「勝手に何もしていない」ことが「情けない」「これでいいのか」と思ったのが、もう一度やってみようと思ったきっかけ。
音楽だけやってきて、褒めてもらえることが音楽しかなかった人生。拙い知識で紡いできたメロディを愛してくれた友から、どれだけ背中を叩かれ押されたか。

これからの活動姿勢

自分はもともとミュージシャンであり、メディア露出は曲を知ってもらうためであって、本当はただ曲を作っていたい。それが原点であり本来の姿、本当の意味での音楽家。出来上がった時のささやかな喜び、そして曲を欲してくれる人の存在を感じられる瞬間があればそれで充分。しばらくはそういう気持ちで少しずつやっていきたい。リセット、リスタートをさせてもらえる機会を与えてもらえるならば非常に助かる。
40年積み重ねてきた「小室哲哉の色」が濃くあって、それは切っても切れない。それがいいんだと言ってくれる方たちがたくさんいらっしゃる。這い上がる姿も見せていこうかなと思う。
コロナは大変だけど、人にいろんなことを考えさせる時期であったのは間違いない。僕もその中のひとり。

part 3 / ミニライブ

シンセ3台(機種は詳しい人にまかせた)による実質25分。3年かそれ以上ぶりって先生は言ってたけど、厳密に言うなら2年半ぶり(18年2月PANDORA)、ソロ名義でも2年9ヶ月(17年12月大阪)…まあだいたい3年か。

  1. DEPARTURES
  2. Route 246
  3. BEYOND THE TIME
  4. Over the rainbow
  5. SEVEN DAYS WAR
  6. Get Wild
  7. Encore : SWEET 19 BLUES

先生曰く「ぎゅっと詰め込んだ」選曲。4曲めは世界的に有名な方(オズの魔法使い)なんで、FANKS “FANTASY” DYNA-MIX で使ったことを考えると実質3分の2は TM と言えなくもない?
最初はわりと控えめなプレイスタイルだったのが、見るからに途中からスイッチ入った感。ライブ恒例の「出だしだけではなんの曲かわからん」は BEYOND で見受けられたし、げわいは新アレンジの仕込みも。ほんとに1年なんも楽器やってなかったん?てなるくらいの手さばきをまた観られて、帰ってきてくれた実感が湧いてくる。このパートだけでもいくらでも観てられるわ。

アンコールは河瀨さんからのリクエスト、会場の渋谷にちなんで。架空の女子の心象風景を歌にしたのであって、安室ちゃんの心理を代弁したわけではなかったけど、彼女が歌い続けるうちに歌唱に心がこもってきたように見えて「自分の曲」にしたんだな、と先生は受け取ったようだ。演奏終わりにスクランブル交差点の俯瞰が映るカメラワークもよかった(トークの時はピント抜けたり揺れたりアレやったけども)。

appendix

初回視聴中に不思議で仕方なかったのが、なぜか後半パートで観客がいること。しかもコロナ対策を考慮してもなお、客の反応があまりにもおとなしい。でも拍手は真面目にするので関係者らしくもない。誰やその人ら。
理由は視聴後、各種メディアの記事にて判明。要するに、河瀨さんの新作映画プロモーションの一環として催されたトークショーの一部を、今回の有料配信プログラムに流用した、ということのようだ。配信のためだけにビル上層階(※)借り切るわけがないとは思ってたのよ。なるほどね。純粋に先生ファンのためだけの企画ではなかったことを惜しむ一方で、本来なら我々の目に触れなかった可能性が高いものを出してくれたとも言えるわけで、まあ結果オーライですかね。

※SHIBUYA QWS:旧東急渋谷駅跡、スクランブルスクエア東棟15階にある産業交流施設。2019 年開業。首都圏離脱から数年経つので存在自体を今回初めて知った。

それはさておき、お値段実質 4000 円(イープラ手数料込)。1時間の動画に対してのコスパ感覚は各位あるかと思いますが、当方としてはあくまで自分ルール「課金=需要があることを伝える手段」という考えでやっておりますんで。あとそもそも東京で生イベントやられても行きづらい昨今の事情も踏まえて。

明示的に通し番号「001」振ってきた点と、最後の SEE YOU SOON に希望を託して、次回お待ちしております。

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