舟とともにある家 (5) 海辺を感じる
25 Oct 2019
そうそう、最近久々に眼鏡を新調しまして。連休中に発注、今週前半に出来上がり。視力検査の際、お店の人からパワーワードをもらってしまった。眼鏡かけて遠近両方にきっちりピントが合うことを「目力が強い」と表現。強い…んですかね?
なわけで春連休の伊根歩きラスト。
少し行ったところで、ラッキーなものに出会う。道沿いに「舟屋見学できます」の小さな立て看板。つられて細い路地をのぞくと、本当に見学できるっぽい。せっかくなので、おじゃまいたします。
あとで知ったんだけど、毎日公開しているわけではなく、家主さんの都合のつく日に不定期で開けているとのこと。
もちろん舟屋に入るのは初めて。天井は低く、幅は思ったよりあるようなないような。
細身の舟なら2艘置けるかな。ちなみにこの舟、なんと「記念撮影用」。乗り込んで写真撮るためのものとして設置されている。そりゃ撮るよね。
壁には造り付けらしき棚。漁やメンテに使うであろう道具がずらりと並んでいる。この手の第一次産業系住宅だと農家の見学機会が圧倒的に多いんだけど、陸と海では当然ながら使うモノの種類や形状もまったく異なってくる。
もう片方の壁には、魚や貝など漁の副産物をうまく使ったオブジェがいくつか飾ってあった。干物というよりは剥製に近いか。
いうまでもなく、一番奥には壁のかわりに海が広がる。
奥に見えているのは青島。集落のほぼどこからでも見えそうな、湾の入口に浮かんでいる。湾にとっては波を穏やかにしてくれる天然の堤防でもあり、住民にとっては神社があるから心の拠り所でもあり。
漁業スタイルの変遷や護岸の必要性など、いろいろあって舟の出入口を埋めてしまったお宅もあるけれど、かつての姿はまだ想像できる範囲にある。
実際に屋内を観られる機会はやはり珍しいようで、小さな空間は入れ替わりにやってくる見物人でいっぱい。貴重なものを見せていただけてよかった。
最後に、遊覧船から見えた「新しそうな舟屋らしきもの」の正体を確かめに。
「舟屋日和」という、どうやら町営らしき施設。レストランとカフェを軸に、祭りで使われる舟の展示やイベントスペースなどを備えている。景観を考えてわざわざ舟屋っぽいものを新築したというあたりにも、町の気合が感じられる。
ごはんはもう食べたし、カフェはとっても混み合っていたので、トイレを借りたら海辺でしばし休憩。
海面近くを、きらきらと通り過ぎるお魚さんたち。敷地内は釣り禁止だから、どうぞごゆっくり。
ひとしきり巡ったところで、駐車場まで歩いて戻った。
あれはミニいけすだろうか。海との距離がない生活、みんなの海はそれぞれの庭でもある。
こうして日帰り散策は終了。自宅付近とは異なる景色に多く触れ、大いにリフレッシュした連休であった。
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