舟とともにある家 (4) 生活に触れる

気づいたらずいぶん伸びてしまった髪をようやく切る。今日の担当さんは実によくしゃべる方で、会話がない時用に開いておいた雑誌の内容すら話の種に。そして物の例え話が明らかに同世代。まあともかく、これで年末くらいまでは持つかな。
さて引き続き伊根の舟屋をぶらぶら。

舟屋が並ぶ道の対岸には、生活のメインとなる母屋が並ぶ。

変化のある海岸線に沿って家を建てれば、その合間を抜けていく道もまた直線にはならない。よくここをバスが通れるものだ。

ところどころ、住むためのものとは異なる形状の建物が、家に混じって建っている。蔵ですな。

壁の厚みは窓が教えてくれる。一方で海沿いということもあって通気性確保が至上命題なのだろう、屋根と壁の間はかなりしっかりとした隙間が設けてある。潮風の塩害を差し引いてもなお、風通しは大事ってことかな。

住民の方は普段、集落から離れた場所へ買い物に行くのだろうか。商店の数はさほど多くない。

昭和の頃であれば、たばこ屋も盛況だったろうか。昔ながらの筆文字がじんわりくる。
そんな中、当家以外にも立ち寄る人が見受けられた場所があった。

たいそう立派な庭木が迎えてくれるのは、地元の造り酒屋「向井酒造」さん。せっかくなので店内におじゃまして、商品を拝見。よく冷えた生酒や趣向を凝らしたものなどいろいろある中から、定番らしき品をお買い上げ。後日、晩酌にておいしくいただいた。

酒造のちょっと先くらいから、東へ引き返す方向で歩く。ちょっと路地裏をのぞくと、気になるものがちらり。近くまで行って確かめてみる。

蔵の脇に設けられた、小さな屋根つきの水場。共有の井戸に見える。だとしたら、ここでは「井戸端会議」が文字通りの意味で健在なのかもしれん。

もちろんすべての家が古いままではないけれど、自分が生まれるちょっと前くらいからの昭和の景色を感じる。

観光案内所の前を通過して、もうちょっと東の方へ。

ふと気になって壁を観れば、建物とは別の意味で時代を感じるホーロー看板。そもそも女子用の服飾専門学校って自体で実に昭和だが、全国レベルのフルカラーとはまた違う、ローカル色もありながらしっかりした作り。学校自体は現存するのかどうかわからない。

観光向けの整備はこちらの地区の方が力を入れているのか、古くて新しい物件をよく見かける。

そして足元には直球ゆるキャラ「ふなやん」。「やん」がつくのは関西標準です(類例多数)。

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