欧羅巴幻想曲 II ヴェネツィア、水の都 (15) Servizio traghetto

収納棚で使う紙製ボックスが湿気にやられてしまったので、買い替えにちょいとイケアへ。すると他の品も目に入り、旦那さんの枕だの自分のスマホスタンドだのをついで買い。今回は梅田から専用バスを使ってみたが、時間かかるけど楽でいいね。
さてヴェネツィア2日め、ちょっとしたアトラクション的なお話。

鐘楼から広場を出て、そのまま西へと進む。

常設屋台のような形状のみやげ物屋が並ぶ海沿いの道。冬に行われるカーニバルの仮面など、カラフルな品を扱う店が多い。屋台の背後には本来、庭園があるのだが、どうやら工事中のようで入口が封鎖されていた。

こっちに歩いてきたのは、一度やってみたいことがありまして。それを探して歩く。

このときも潮はやや引いていることを海藻に学ぶ。陸地に水が上がりがちな冬季でなくとも、満潮の時には黒い段のあたりまで来るのだろう。

海沿いの道は途中でなくなるので、結局今日もまた路地散策という名の迂回。
「クルマ」のないヴェネツィアで見かける、数少ない車輪つきの物体。駅などからホテルへ宿泊客の荷物を運ぶポーターも、同様のものを使って橋などを上手に越えていく。

水路あるところにゴンドラあり。これからリアルトに抜けていくのかな。

わ、別の水路にもたくさんいた。ふね本体は黒と決まっているが、椅子などの装飾はそれぞれ趣向を凝らしていいことになっている。少しでもゴージャスに見せたいからか、派手なモケットのソファが多い。

そうしてホテルやブランド店の多いエリアを抜け、15分ほど行ったところで、お目当てのモノを発見。

有翼の獅子がはためく足元に、Santa Maria del Giglio という名のふねのりば。といってもゴンドラではない。ゴンドラのりばもあるけれど、我々が乗りたいのはそれによく似たもうひとつのふね。ほどなくして、それがやってきた。

アレです。
こちらはトラゲットといって、運河の数ヶ所で営業している短距離用の渡し舟。お値段は2€均一。大雑把に言えば「ゴンドラ界の LCC」ってとこか。ポイントは、まず渡る先がすぐそこに見えているくらい近く、でも橋まで迂回するとかなり遠い、絶妙な箇所に設定されていること。そしてふね本体。

めっちゃ簡素。これが安さの秘訣。ふね慣れしていない観光客には、木製だろうが椅子があるだけで助かる。なお、見習いのゴンドリエーレが場数を踏む手段でもあるようだ。

一度に大勢乗る場合は立ち乗りになるらしいが、幸い乗客は当家と別のご夫婦、合わせて4人。これなら椅子座れるね。

隣にゴンドラがいるので比較にちょうどいい。内装はともかく、ふねとしての基本構造がまったく同じなのはおわかりいただけるかと。だからこそ、大枚はたくかわりにお手軽プチ乗りを選択したともいう。

座って驚くのは水面までの近さ。めっちゃ低い。
せっかくなので、乗車中の模様は動画にしてみた。サムネがアレですが、再生したらちゃんと出るはず。

さすがは大運河、直交する側の交通量が半端ないが、タクシーなどとも阿吽の呼吸というか暗黙の了解があるのか、一瞬の隙を突いてスーッと抜けて渡る。あっという間に対岸到着。

いやーおもしろかった。他のふねとはまた違った味わいがある。この低さを体感するだけでも、ゴンドラ乗らない人もトラゲットは乗るべき。

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