欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (7) Duomo di Milano : 2

ここんとこ涼しく感じる日もあったんだが、今日は昼間っから明らかに気温が高い。窓から吹き込む風、心地よいというよりぬるい。あれ、そういや梅雨はどこ行った。毎日じめじめだと不快だが、空梅雨で水不足もいややなぁ、と贅沢を言う。
ではミラノ名物ドゥオーモ観光の続きを。

屋上の足元は文字通りの「屋根」そのもの。斜面を滑らないよう注意しつつ、南北に開けた展望を楽しむ。

どちらかというと南側は郊外の趣。

主要駅も商業エリアも、ほとんどはここより北側に固まっている。中央奥のとんがってるあたりが Porta Garibaldi 駅で、その右側に Centrale。あのへんだけ近代化が顕著なのもよくわかる。

工事中の箇所にかかっているシートは、裏を返せば「今からこれくらい綺麗にするよ」宣言でもある。

すぐそこに、できあがった尖塔が。目をみはる白さ。と同時に、ちょっと置くともう下段くらいにほんのり色づいてくるのかと思うと、石の表面は繊細だ。

ひとしきり堪能して下り順路に入っても、修復が終わった箇所はまぶしく輝く。

これだけの巨大構造物では無理とわかっていても、仮に全体が出来たての白さだったら、神々しさたるやいかばかりかと。修復したてで真っ白だった、どこぞの城をつい思い浮かべる日本人。

しつこいようだが、エレベーターコースだからといって一切階段がないわけではなかった。お帰りは普通に階段。数段ずつぐるぐると四角を描きながら下っていくのは、地味に目が回る。これ階段コースにしなくてほんと正解やわ。無理。
下るのも飽きた頃、ようやく地上階に到達。そのまま聖堂内の見学へと進むようになっている。

側面の比較的小さな祭壇ですら、この風格。ステンドグラスの絵柄も細かく美しい。

足元を観れば、石材の色合いの違いを利用して巧みに組み上げられた模様が、これまた見応えあり。チューリップ状の花模様を、うっかり「たこさんウィンナー」呼ばわりしたのはここだけの話。

見上げれば無数の石柱が、さっき渡ってきた大屋根を支えつつ、森のような景観を構成している。その柱にも聖人の姿。いったいこの建物全体で何人いるのだか、自力で数えるには多すぎる。

そろそろ17時。土曜は入館締め切りが早いようで、間に合ってよかった。

中央の着席エリアをぐるり回りこみ、正面に立つ。仕切られていてこれ以上は近づけないものの、現場に立って初めて実感できるスケールの大きさに改めて息をのむ。

一般客が接近できるのはここまで。あのステンドグラス1枚ずつにもまた聖人が描かれているのか。

側壁の窓を彩るものもまた、これはこれで充分に細やかな仕事。

こうして、ここでもまた語彙力の低下に悩みつつ(もはや悩むこともあきらめた感)ドゥオーモ鑑賞は終了。隣の名所にも寄っていこう。

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