名士が愛した近江 (4) 集合する家

今年の遠征計画が一歩前進。まず「おもな行き先」が決定しました。ただ、行きたいスポットから日程を割り出してもし余ったら経路を追加することもありうるんで、全部決まったわけでもないという。これから具体案を詰めながらゆっくり考えよう。
なわけで昨秋の近江八幡歩きラスト。

郵便局からほど近いところに、ヴォーリズさんのデビュー作がある。

アンドリュース記念館(登録有形文化財)。夭折した親友の名を冠した第1号建築は YMCA の建物として使われ、のちに現在地へ移設。

ぶっつけ本番訪問だったのでたまたま運のいいことに、年2回の室内公開が行われている期間中だった。別の建物と合わせた共通入場券があったので、そちらを購入。実際に使われていた暖炉を備えた1階の書斎や、2階の和室を拝見した。書斎に収められた洋書もご本人の使用歴があったものだろうか。

すぐ隣には教会。これ自体は作品ではないのだが、付随する建物が意外にも作品のひとつだった。

一見すると純和風にしか見えないが、かつて近江兄弟社の社員寮「地塩寮」だったところ。現在は教会の牧師さんが使用しているとのこと。

駐車場に面した通りを越え、街の南西側へ。記念館から数分行ったところに、洋館がまとまって建っている区画がある。

池田町洋館街と呼ばれる一角に、現存作品が3軒。元をたどれば築100年クラスの建物とは思えないモダンなビジュアルに驚く。

非公開の片方は旧吉田邸。教え子であり、のちに事業を支えた方の住居であった。

そしてこっちが共通入場券で入れるもうひとつの物件、ウォーターハウス記念館(登録有形文化財)。ともに伝導に従事した人の名がつけられている。どうやら文化財指定を受ける際、全面的に修復したようだ。1階は主に展示室として使われており、ここでもいくつか資料を拝見。精巧な模型などもあった。
あ、有料で室内に入った2軒の室内写真がないのは撮禁だからです。まあ文化財ですし。

最後に、同じ区画の北端角に位置する物件も外から拝見。

ダブルハウスといって、社員向けの住宅として作られたもの。横並びの2世帯住宅になっている。

本来は左右対称の建物だが、現在の住民さんが住みやすく手を加えた部分もあるようで。いずれにせよ、煉瓦塀や煙突、全体の形状などは、当時の面影を残してくれている模様。

と、なんだかんだでもうすぐ16時。そろそろ今度こそ家に帰るとしよう。こうして往復ともに遠回りしつつ、帰省は無事終了。

余談だが、滋賀県にはこのような方もいらっしゃいますね。意外と仕事選ばない西川さんであった。

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