むかしのおうち大集合 (1) 風土に沿う

今日は「さつまいもの日」だったらしく、スーパーに行ったらどーんといも推し。想定してたメニューに合わなかったんで買ってないけど、世の中毎日いろんな記念日があるもんだ。ま、毎日が誰かしらの誕生日なのと一緒か。
さて今回は9月第4週末、近場で古いものを見物したお話。

豊中に服部緑地という公園がある。なにげにどの駅からも遠く、緑地公園からでも十数分、曽根や岡町からだと30分コース。天気はよくも悪くもなく、ある意味歩きやすい状況だったので、岡町からスタート。途中でパン屋に寄って昼食を仕入れるなどしつつ、無事に到着した。
公園でのんびりするというよりは、明確な目的地があってのこと。

敷地内に「日本民家集落博物館」という施設がある。全国いろんなとこから移築した古民家が、現地での状態に近い形で保存されている。大阪に居ながらにして各地へワープできるわけですね。
なお、エントランスになっているこの建物も、東大阪にあった長屋門の移築。

日によって各家で「囲炉裏に火」とか解説付きとかイベントがあるようだ。

入館料を払って早速中へ。敷地内の畑で採れたのか、農家らしいデコレーション(?)に出迎えられる。

順路に沿って進むと最初に現れるのが、日向椎葉の民家(重要文化財)。

やたら幅が広い。傾斜地に建てるため、細長い造りにしたようだ。

入ってみると、手前の台所から一番奥の部屋まで一直線。炊事場が広く、3口コンロ(かまど)も備えている辺り、かなり大人数に対応した家だったのかもしれん。

入口に書いてあった通り、囲炉裏に火がくべられていた。煙や煤で屋根の内側をコーティングする目的もあるんだろうな、と白川郷を踏まえて思う。

その隣、ちょっとした丘の上に、信濃秋山の民家(これも重要文化財)。

まるで家が蓑を着込んでいるような外壁が目を引く。雪が多い地区にあったため、茅葺を厚くすることで防寒を図っていたそうで。

さらに特徴的なのが室内で、なんと床板が存在しない。土間に直接、茅とむしろを敷いている。ビジュアル的には床を張る予算を惜しんだのかとすら考えてしまいそうだが、これまた保温目的であえてこの仕様。如何に冬を快適に過ごすか、当時の人の工夫が偲ばれる。

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