信濃路は山の中 (4) 宿場歩く・1

土曜から怒濤の11連休に入った方もおられるようですな。当家もその気になれば可能だったんだが、経験上9連休以上まともに取ると社会復帰があまりにもしんどいのでやめておいた。今月中は暦通りだよ。
さて信州の旅ですが、多分ここからが本題。

先を急いだのには理由があった。上田や別所よりさらに遠いところに行くためである。山中をぶち抜くために作られたトンネル状の有料道路を3つ経由し、高速ワープも交えて、16時過ぎ。なんとか陽のあるうちに着くことができた。

奈良井宿。中山道の宿場として保存されている地区だ。前週の川越に続く「古い町並み(重要伝統的建造物群保存地区)」攻略が、この日のメインイベント。前菜がやたら多かったのは仕様です。

一本道の両脇に、家や店舗がずらりと並んでいる。ちょっと進むたびに目を奪われて歩みが止まる。

ナショナルの看板に昭和を感じ、ホーロー看板にはそれ以前の歴史も感じる。

もともと漆などの木工が盛んな土地柄だそうで、雑貨や工芸品を扱うお店も多い。

「春夏冬二升五合」。春夏冬はともかく後半に首をひねったが、どうやら全体で「商い益々繁盛」らしい。升×2+0.5升(=5合)か。なるほどねー。昔の人の言葉遊びは高度だ。

思わずのぞきこみたくなる懐の深さ。通りに面している部分から想像するよりも、1軒の奥行きは大きい。

この日は土曜。だがしかし、思っていたよりも営業中の店が少ない。どうやらこの手の町は店じまいが極めて早いのが常のようで。

いかにも信州らしい食べ物を扱うお店も、昼頃は賑わうのだろう。

重厚感あふれる酒屋も、ただ静かに整然とした格子が並ぶ。

中には古民家リノベーション系のいまどきな雑貨店もあった。休符=休業とはなかなかおつな表記。

と、眺めて歩けばあっという間に時は過ぎる。町のはずれに着く頃には30分以上が経過。

通りのあちらこちらで水場が設けてあり、澄んだ音色を響かせていた。

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