信濃路は山の中 (5) 宿場歩く・2

今日は車の点検に。少し前に同型車種の一部ロットでリコールが出ていたのだが、サイトで型番照合した限りでは多分セーフ。と言われても気になるもんは気になるので、再確認したくなるのが人情ってもんです。幸い大丈夫だったのでめでたし。
なわけで、奈良井宿散歩の後編。

決して一糸乱れぬ統一された規格ではないのだが、それでも家々の醸し出す雰囲気は綺麗に足並みが揃っているという印象だった。概ね似た色合いの格子や壁板など、木目を活かした造りだからか。

見通しがきかない緩やかな曲線コースが時々あるのは、防衛上の理由でそうしている城下町とはまた違うんだろうな。

1階より2階の方がでっぱっている構造のものがとても多い。出梁造というらしい。結果として庇によるカバー範囲が大きくなるので、1階でお店をやるには都合がよかったのかもしれない。

しかし、混み合わない時間帯というのは、通行人の服装で現代味が出てしまうのを回避する方法としては上等な気がしてきた。

北端に JR の駅もあるのだが、駅から一番遠い側は若干の上り坂。

傾斜と出梁造をうまく使って現代味(くるま)を消す努力をしてみた。手前の理髪店看板が微妙に近代仕様なのは、昭和っぽいから OK。

坂の先には神社があった。境内へ続く階段から見下ろすと、意外にもすっきりとした屋根。
帰宅後に調べたところ、この傾斜角度を守るための選択のようだ。瓦葺きにすると今の建築基準法では角度を変えざるを得ず、かといって昔ながらの板葺きでは耐久性に劣る。そこで鉄板に落ち着いた、と。手前から2軒目のような屋根が本来の姿だそうで。確かに昔の絵とかで観たことあるわ、この形状。

17時を回ったが、まだそんなに暗いとはいえない。

夜になればなったでこういうのが点灯してまた別の風情が出てくるのだが、そこまで待っていたらおうちに帰れない。なんせ日帰り旅ですから。ぶらぶらと観察しつつ、また駅に近い方まで戻ってきた。
と、ここで旦那さんがふとひらめく。なにか高台っぽいものがあった気がしたので行ってみよう。

小高いところにあるお寺から、町並みをちょっとだけ見下ろすことができた。往時の賑わいを、この角度からだと見えない道の部分に想像しては重ねてみる。

そんなこんなで見物終了。

もう間もなくすると、茶褐色の町は夕闇に溶け込んで静かな夜が訪れることだろう。

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