新しい街をつくろう (14) 夕暮に飛ぶ

本日はちょっと日帰り出張(単なるライブ遠征)が入っておりますゆえ、事前仕込みにてお送りしております。あと4月5月も近場1本と遠征2本決まって諸々手配済。この後やるかやらんかわからんし、行ける時に行っておくに越したことはない。
なわけで年末首都圏ラストは帰り道のお話。

品川から羽田へと向かう京急はずいぶん混み合っていた。往路の東京入りから2泊している間に、世は年末帰省ラッシュを迎えていたのだった。そりゃ混むわ。よって帰りの空路では、多客を前提に「頭上に手荷物が収まらないかもしれんから、可能な限り預けてほしい」と JAL からのおしらせを受領。当家もカートだけは預けることとした。
で、15時半。離陸は定刻18時。めっちゃ時間あるやん。

こんな時のひまつぶしスポットといえばもちろん展望デッキ。搭乗までの利便性を考えて1タミで済ます。

前日に登った麻布台ヒルズなどもまあまあ見える。

来てみて驚いたのは 350 の多さ。あっちにもこっちにもスタンバイ中の機材がごろごろしている。

1機去ってまた1機。常時必ず複数揃っている状態。2桁いるのは知ってるけど、いつの間にこんな主力ど真ん中に来ていたのやら。

鶴丸たちに埋もれていた1機が動き始めた。

スカイマークに移ったポケモンの皆様。正式には「ピカチュウジェットBC2」というらしい。まず伊丹に来ない会社なのでそれだけで目新しい(神戸は行くの大変だからノーカウント)。

先頭の子は知らんけどあとはわかる。片面見えただけよしとして、きっと右サイドは違う柄。

福岡便だったから機内もさぞ混んでいたことであろう。

観ての通り、16時を回って西日がいい感じになってまいりました。

そのタイミングで動いてくれる機材があるかないかは運次第。

向こうの国際線にも少しずつ海外キャリアが戻りつつある。

地上とおひさまの間合いを計りつつ、合間に遠景をうかがう。

そんな中、旦那さんがふと気づく。付近に立ってにこにこ空を眺めている人をよく観ると、おやおや、ルークさんではありませんか。我々にとってのルークさんは「夕日スポットでなぜか温州みかんをくれた」という12年の熊本エピソードが語り継がれている。

この日は空へレンズを向けて飛行機雲をガンガン撮っておられた。

そうこうするうちに、出発機がもう1本。

夕焼けがもっとも燃える頃、地上の人々にも見送られて、また 350 が旅に出る。もう16本いるのか。増えたなぁ。

ほどなくして太陽は、地平線手前の雲の向こうへと沈んでいった。

急激に気温が下がる中、残照を含んだ雲に浮かび上がる富士山。そしてまたまた 350 が動く。

と、わずか1時間で6機も同型機と遭遇したにもかかわらず、我々の前に姿を現さなかった機体がいる。ほかでもない、明けて正月2日に事故で失われてしまった13号機。

たった3日前に利用したばかりの羽田で起きた衝撃の事態に絶句しつつ、健在だった頃の姿をハードディスクに探したが、ここ数年いくらでも観てきたはずの 350 写真の中に13を発見することはできなかった。羽田をベースに千歳・福岡・那覇など遠距離をよく飛んでいた直近の履歴からするに、伊丹へ来る機会はあまりなかったのかもしれない。

そんな数日後の出来事は知る由もない、師走の帰り道。

暗くなったところで撤収、入口がわかりにくくていつも空いているカフェでひと休み。

コーヒーのおともに暮れゆく空をしばし眺めてから、30分前にゲートへ。

3日間の疲れをクラス J の快適座席に預けつつ、伊丹から自宅へと帰ったのであった。

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