電車の街のまつり (5) 熱気が囲む

スマホいじってるのを隣で観察していると、自分もだんだん欲しくなってくるから困る。ホームのカスタマイズして遊びた…いやいや、2年縛りが解除になる誕生日付近まで耐えろ自分。その頃にはまた新機種も出るだろうし。
とかなんとか妄想しつつ、江ノ電最終回。

下町の山車が中央に繰り出す。

こうして観ると、レールの上を走っているかのようだ。が、ここから大変なことに。

!?
なんと、土台だけ固定して上半分をぐるんぐるん回し始めた。しかも超速。上段で太鼓を叩く子供たちも大変だ。笑いながら叩いてる強者もいたが、他の山車ではもっと年下の子がグロッキーそうにしていた。
寡聞にして知らなかったのだが、山車についているこういう機能のことを廻り舞台といい、湘南地方にはよくあるタイプらしい。

下町と中原町の山車と足並みを合わせつつ、土橋町エリアまで来た。

人形を飾る箱には「土」と「橋の絵」の提灯。下町は変体仮名で「志多満ち」だった。提灯に書く町名ひとつとっても、それぞれに工夫がある。

土橋町が回したのに対抗して、もう一度ぶんぶん回す下町。…おや?

熱が入りすぎたか、電車接近までに回避できるか微妙な事態に。おいおい大丈夫かよ、と苦笑しながら下町の撤退を余裕で見守る土橋町のみなさん。勿論無事間に合いました。

その後も、うちらはあっちへ渡りこっちへ渡り、祭り風景に如何に江ノ電を取り込むかに心を砕いた。

下町の名を T シャツという形で背負う人。電車を撮ろうと伸ばした手にはスマホ。変わるものと変わらないものは共存している。

若い衆が壊れんばかりの勢いで揺さぶって観衆を沸かせた、土橋町の小ぶりな山車。荒ぶる姿と、電車通過を待つ和やかな表情と。

橋を境に、すべての町内の山車が列をなし、併用軌道を離れて神社の方へ向かっていく。

濱上町と神戸町の山車はこの前後にすれ違っただけだったが、きっとそれぞれにハイライトシーンがあったことだろう。

しんがりの中原町が向かってくるのを確認して、ぼちぼち帰ることにした。

長らくこの手のイベントに縁遠い年が続いていたけれど、この日観た光景は、「日本の夏祭り」というワードから受ける印象に限りなく近かったな、と思った。

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