欧羅巴幻想曲 I ミラノ、商業の都 (13) Piccolo Teatro Strehler
26 Jun 2019
今年の梅雨はずいぶんと歩みの遅かったことで。しかも入った途端に、待ってましたとばかりにどっと降り。フライングで蝉もちらほら鳴きつつあったところにコレだから、季節の変わり目さんも右往左往してますな。人間は体調管理に気をつけよう。
さてミラノ2日め、このへんから電車の割合が増えてくるよ。

絵になる道をそのまま進む。これまで訪れたヨーロッパの他の街より、なんとなく窓辺の緑が多いように感じる。

このあたりはレストランが多いようだ。まだちょっとランチタイムには早く、店のほとんどは開店準備中。
しばらく行くと、地下鉄駅や電停があるちょっとした交差点に出た。
北側の角に、現代的な大きな建物。ロゴと垂れ幕を眺めて、ふと気づく。どうやらこれは劇場で、その名を “Piccolo Teatro” というらしい。…ピッコロシアター? 塚口のアレが頭をよぎったのは、演劇経験のある関西人としては至極当然。まあさすがに偶然の一致なんだろうけども、まあ、うん。
この交差点には、4つほどの系統のトラムがやってくる。しばらく様子をうかがってみた。
白い5両編成の車両は 7500/7600 形。国内メーカーの AnsaldoBreda 社(数年前に経営難から売却され、なんと日立傘下に)が開発、デザインはフェラーリでおなじみ Pininfarina が担当して作られた “Sirio” のひとつ。一応2形式あるものの、その差は発注時期くらいしかないように現地では見えた。
広電の max を思い起こさせる丸顔の先頭に対して、バックスタイルが若干微妙…あ、いや、個性的な形状なのが特徴。
で、そっくりな形状で緑色の車両が、同シリーズで先に導入された 7100 形。
わかりやすい写真がなくて恐縮ながら、白いのよりちょっと長い7両編成。
長くて色が違うくらいで、前も後ろも形はほぼ同じ。
“Sirio” とはどうやらシリウスのことらしい。で、7500 グループの方だけ “Sirietto” という愛称が付けられている。もしやと思って後日調べたら案の定、”-etto” は「小さい」意味の接尾語。シリウスミニってことすね。max と同じような顔で LEX みたいな(広島の影響が強い思考パターン)。
今世紀デビューのシリウス軍団に対し、当家と似たような世代の中堅車両も。
これも国内企業による 4900 形。1次車(Fiat)と2次車(Stanga)でメーカーが異なり、ここで見かけたのはいずれも2次車。いかにも20世紀後半らしい雰囲気の漂う角ばったフォルムが特徴。100 編成いるらしく、市内あちこちで見かけた。
だからなんでバックスタイルがそういう不思議な顔になるんや。そこまでとんがらせる必要はあったのかどうか。
じゃ、ぼちぼち次の目的地に移動しますかね。ピッコロシアター前の入口から地下鉄駅 Lanza へ。
緑の M2 に乗るのはこれが初めて。なんとなーく M3 よりちょっとアレな感じがしないでもない。雰囲気が。
ともあれ、数年前の万博を機に導入された新車両 “Leonardo” は、現代的なすっきりとした内装で照明も明るい。
むかーしローマで一度だけ乗った、ほんのり暗くて外観全面落書きだらけの車両をふと思い出せば、アレとは雲泥の差だ。あのとき添乗員氏に言われた「ローマで地下鉄乗る場合、財布を地下で出すな(=地上で必要額を出して財布を収納せよ)」という忠告は鮮烈だった。ミラノではさすがにそこまでじゃないけど、一部駅の空気は当時を思い起こさせるものが少々。
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