30歩のノスタルジー (2) 去りし物と残る物

ぶらり天王寺散歩の後編。しかし「ゆるく撮る」って普段からやってないと難しいよ! 目と手がつい、普通の写真に持ってっちゃうんだよなこれが。

外に出て、あぁ来るのが遅かった、と真っ先に思った。

壁に特徴的な模様を施された建物は、半分消えていた。

阿部野橋駅がまだ「あべの橋」表記だった頃までで、わたしの記憶は止まっていた。建て替えの話を耳にしてはいたものの、具体的にイメージできずにいた気がする。が、工事中の防壁をよーく観て、事実を把握した。

アレがない。
確か歩道橋の柱の辺りに、小さな看板があった。マクドナルドまで徒歩…33歩だったか、35歩か37歩か。ともかく30数歩という文言が印象的だった。角にあるマクドまで、書いてある通りの歩数で着こうと、行く度に友人が試行錯誤していたっけ。
そのマクドも看板も、建物と一緒に過去帳へ。

歩道橋上を南へ歩き、南北に貫く道路を見下ろす。これを観たくてここまで来たようなものだ。向こうから近づいてきた車両が、目の前の信号で停まった。

阪堺電車。これもまた、中井さんとのお話で登場し「かなりゆるいよ」とおすすめいただいた。存在は知ってても乗ったことがない、そんな数多い路線のひとつ。
しばらく眺めていると、3分ほどですぐ発車。後から来たのと、信号の辺りですれ違った。

うーむ、それにしても真上からでは架線が気になるなぁ。ちょっと降りてみよう。歩道橋を南へ降りかけると、2本目も発車。また向こうから次の電車が。…おや?

かわいいのきたー!
後で調べたら、これは観たまんま、雲電車というらしい。

別に LED 搭載してる世代の車両が嫌いなわけではないが、このいかにも路面電車然とした丸っこいのが電停に収まってる感じ、たまらんわぁ。あ、ちなみにこれは青信号の間に横断歩道内から撮ってるんで。

そうこうするうちに、オレンジの雲も出かける時間。

時折小雨ぱらつくグレーの街の中にあって、ひときわ目を引く鮮やかな車体。やがて信号が青になり、電車は南へ出発していった。

雲と入れ替わりに来た青いのもフォルムはいい感じなのだが、なにぶん側面塗装がギャンブルめいていたのでこの程度にしておく。

ついでに、のりばの近くまで行ってみた。これはゆっくり1日かけて、沿線を歩いたりしながら楽しみたいな。いつか乗るのが楽しみ。

と思いつつ家でネット観てたら、同じ日の午前中?に中井さんも阪堺、しかも沿線撮りに出かけてらしたとは。やはりプロの方は行動力からして違うのであった。そういうとこから見習わねば。

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