お名残列車、東へ。 (4) 決戦は日曜日

ウェザーニュースの予報ではひどいもんだが、気象庁基準だと28日の天気が上向いてきた。都合良い方を信じたい気分。
では乗破報告最終回、都内での各種撮り納めも合わせて。


終点前の最後の停車駅、品川。発車ベルの音とともに、車掌さんが凄い勢いで博多方へ駆けていった。ありゃ、何かあったな。しかしアナウンスする程の問題ではなかったらしく、謎は解けぬまま1分延での発車。
さあ、車内でのラストミッションが始まる。

田町。浜松町。新橋。外回りホーム南端には、もれなくレンズを向ける人影が。わたしも臨戦態勢に入る。高速連写モード、ON。ライブビュー、スタート。よし。京浜東北とすれ違う。定発ならかぶっていたかもと微かな安堵を抱えつつ、構えた姿勢は崩さずに。
有楽町。およその位置は伺っていたが、とりあえず人影を観たら押す。南端は違う。その先も違う。
…みつけた!

普通ならスルーされる8号車へ向けて、完全にピンポイントでカメラを振って「迎撃」してくださったのは、紛れもなく Wisteria さんtks_naka さんであった。
こうして「W 編成車中からの捕獲納め」は無事成功。お相手が居られる一発勝負は重要度が違う。上手く行って良かった。

そして、6A はとうとう終着駅に。「東京」の2文字を堂々と表示する LED を見上げ、号車番号シール付近の壁につい手を伸ばす。
最高の5時間13分を、ありがとう。
W1 に心の中でそうつぶやき、わたしはドアの外へ。そこからは振り返る暇もなく、乗り換え口の有人改札へ。手前に転がしてあった N700 のスタンプを使われたらどうしようと内心焦ったが、駅員さんは普通の東海の無効印を特急券に押した。
あとは山手線に滑り込み、次駅で東の無効印を乗車券にもらって走る。

数寄屋橋付近で、迎撃隊のお二方と合流。
先程の成果をお互いに確認。テレホンカードをお渡し。ついでに初披露の鉄用名刺もお渡し。等々していたら、まもなく 29A の時間。
半分だけ陽の当たる高架。では、当たる範囲内でまとめよう。この日の直前に西武絡みでニュースになったマリオンを入れて縦構図で待機。あとは、はとバスの類がかぶらないことを祈るのみ。信号がいいタイミングで赤になりますように。

願いは通じた。東京で最後に撮る500系は、青空の祝福を受けて去った。

慣れない銀座をしばしさまよい、割とリーズナブルな店に落ち着く。乗り通し完遂の達成感と、それに伴う大半の目標をクリアした安堵感で一気に脱力、ランチはサラダとデザート以外ほとんど食べれなかった。もっとも根本原因は、長時間耐久戦の疲労とバームクーヘンの副作用か。
例によって話の種は全く尽きることを知らず。今度はカフェに移る。ここのコーヒー1杯とさっきのランチ1人前がほぼ同額という、かつての滝沢を彷彿とさせる店だったが、その1杯でのんびり語らう時間を買ったということにしておこう。
最終日どうしよう。3月からどうしよう。その話題が主だったけど、時には100%非鉄ジャンルの話にも花を咲かせてみたり。

楽しいひとときは光速で過ぎ、そろそろ帰る時間。東京駅に移動し、直近の新大阪のぞみ 239A を携帯で確保。お二方は入場券でお見送りに来てくださった。
車種は B なら理想だけどこの際贅沢言うまいと思いつつホームに上がると、滑り込んで来たかものはしの横顔に “JR 700” の文字。しかも車両番号の末尾が「01」。やった、B1! 1月にボツった B 編成のぞみ乗り納め(かも)が、ここで叶うとは。思わず小躍り。
翌週の再会を期し、ご挨拶を交わして乗り込む。目的を果たした余韻を確かめながら、ひとときの眠りに落ちる。


こうして幕を閉じた2月第2週末。わたしの記憶にまたひとつ「忘れえぬ思い出」が加わった。得たものの大きさを思えば、トータル6諭吉は決して高くなかったのかもしれない。

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