実録・おひとり様物語 山陽編 (6) 晴れの国の僥倖

間に合ったー! いやほら、ライブ前にはどうしても終わらせて東京撮影の準備しっかりやりたかってん。というわけで最後に復路後半。これは500追っかけ史上最大のラッキーかもしんない。

在来線乗り換え口へ向かう途中、駅弁の出店があった。あなごめしの横に置かれた鯖寿司に決定。押し寿司なんだけど「あぶり」って書いてある。なんか美味そう。これから2時間近く乗るので、車中で食べよう。
各停岡山ゆき、國鐵風味の瀬戸内色。古い車両は駅弁持ち込みが似合う。車窓がひなびてきたところで、おもむろに開封。

おぉ、いい色してんねぇ。食べてみると、いかにも押し寿司らしい酸味が効きつつ、ちゃんと脂がのっていて柔らかい。美味いよこれ。超好み。ただこれでもごはんが多かったので、食べながら加減した方がいいと思う。

満腹で景色をまったり眺めるうちに福山到着。乗り換え先は岡山先着、117のサンライナー。特別扱いっぽい塗装の割に、乗ってみると意外にもワンマン運転。やる気があるのかないのかわからない。
本当はゆっくり休みたかったのだが、気持ち悪い行動をとる客が間近にいて、全然くつろげなかった。ワンマンはこういう時に困る。ので、岡山に着くなり猛スピードで下車、駅員がいる乗り換え口まで一気に移動。どうにか撒くことができた。

ここで最後の入場券購入。さっき広島で降りた 638A が一旦ひっこみ、再び出てきて 659A になる。そこをお迎えするのが目的。となれば、以前住友色で失敗した西からの入線を狙うのが必然というもので。最適な場所に、ひとりだけ先客。お隣失礼しまーす。

ってまた避けきれてないけど。
そこからは、23番ホームの静かな戦い。とにかく撮る人の多いこと。人のことは全く言えないが、いい歳をした大人が多分10人以上で場所取り合戦。月曜とは思えない光景。離れた場所から、人がはみ出してない一瞬の隙をついてどうにか撮った。

ではそろそろ発車後追いに向けて移動移動、と、博多方へ歩き出した、次の瞬間。
その博多方から、あまりにも見覚えのありすぎる形をした、丸くてながーい車両が近づいてくるではないか。えっ? あれ? ちょっと待て!

なぜここにいるんだ W8 よ!!
ホームの LED が遠くてよく見えない。901だか903だか、とにかく回送の番号。21番線の案内放送も「回送」と告げた。経緯は知らんが、目の前に500がいることは紛れもない事実。
半ば呆然としていると、659A が定刻通り動き出した。

停車中の500の横を去っていく0系なんて、二度と観れないかもしれん。つい癖で500のロゴに露出合わせちゃって、飛びまくりなのが悔やまれる。


14:45頃に現れた W8 はそのまましばらく動かず、25A に追い越された。行動が全く読めないが、列車番号は奇数ぽいし下り線にいるし、博多方向へ帰るに違いないという確信があった。いつ動いてもいいように日陰で待つ。
そして15:05頃、回送発車のアナウンス。W8 はゆっくりと、本当にゆっくりと、西へ向かって去っていった。

帰路の都合上、29A には会えないと判っていた。そこへ現れた回送 W8 は直前まで岡山運転所にいたらしいと、後で知った。予想外すぎた偶然の出会いは、新幹線の神様が2日間の長旅の労いに演出してくれたのかもしれない。行く先々で一滴の雨も降らず概ね晴天で、数日前まで相次いだ壮絶なダイヤ乱れもなかった、そのへんも含めて。
その後の岡山カフェや223ではなかなか座れなかったけど、ここまでの幸運を思えば小さなことに感じた。体力の限界目前だったんで、空いたら即座ったが。

というわけで、山陽本線制覇&青いもの追跡の旅はこれにて終了。イコール、18きっぷも見事使い切り。5個のハンコが揃ったきっぷと、駅撮りに使った入場券は、夏の思い出のいい証拠品になりそうだ。

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