実録・おひとり様物語 交流編 (4) 舞台裏テクノロジー
29 Oct 2008
目立つ展示内容は前回までに書いちゃったけど、この時点でまだ昼前。入場から2時間経っていない。後半のおいしい場面についてはまた後で。
一般的には(個人的にも)どーしても派手な車両に目が行きがちだが、車両所というメンテ現場に入れる機会なんぞそうそうないわけで。縁の下の力持ちにも、あれこれ目を向けてみた。
青磁と黄色の大混雑からようやく抜けた。地下通路出入口付近まで戻り、そこから南下すると、静かに保守用車が並んでいる。
このシンプルさは究極だよなぁ。
なにやらクレーン付き。
青い車体を観ていたら、何らかの青い保守車が六甲トンネルに常駐していたような気がしてきた。今度確認してこよう。
ところで、横にあるこの物体はなんだろう。と思いつつもっと奥へ歩いていったら、答えがあった。
そうか、これがジャッキか。毎時30分にジャッキアップ実演、との旨がパネルに書いてある。おや、あと2〜3分ではないか。ナイスタイミング。奥へ移動することも一瞬考えたが、むしろ切り口は普段観れないのでこっち(4号車)に居座る。
時間が来た。作業員さんがマイクで簡単な案内をし、続けて指示を飛ばす。せっかくなので動画を撮ってみた。が、予想外の長さに公開は断念。この作業、結構時間かかるよ!
- 数十 cm 上げる(現場での単位は mm)
- 随所に立っている作業員さんが、異常がないか確認、担当箇所の「完了ボタン」を押す
- また数十 cm 上げる
(中略。755?→1400→最上、の3段階) - 一番上まで上がったら、操作盤を下げるモードに切り替え
- 数十 cm ずつ下げる
(以下略。同じく3段階で最下へ)
…上げ始めてから下ろし終わるまで、11分超。すごーく慎重。そらそうだわな。1両だけで自重 30t 以上のものを複数両、そんなほいほいと上げるわけにはいかん。
注意喚起のためなんだろうが、ジャッキは動作してる間にメロディが鳴る。なぜかエレクトリカルパレード。車体を上げ下げするときだけでなく、作業が終わってアームを収納する間もずっと鳴っていた。
通路は屋根続きで隣の建物に繋がっていた。台車検修場だ。
ずらりと並ぶ車輪に、何か貼ってある。後で拡大したら「輪軸検査成績表」と書いてあった。どうやら F5 のものらしい。じゃ、どっかに足回り外れた状態で本体が寝てんのね。
工場内の移動には、ちゃりが最強なようで。
…おや? B8 って、ついさっきジャッキアップされてたやつでは。「全」て文字も見えるが、台検じゃなくて全検なんかな。チョークの書き込みはいろんなことを教えてくれる。
ボードには様々な取り組みを示す掲示。びっしり並ぶ、指差喚呼項目。
「重点取り組み」の掲示。「今まではこれで良かったが、今後もこのままで良いか」。作業員じゃない自分が読んでも、なんとなく背筋が伸びる。
なにげに末尾の「近い将来に向けた体制整備」が興味深かった。N の全検や「次期レールスター」(ひかり引退後の話?)への準備、さらに九州と北陸。確かにこれからいろいろあるよな。
そしてやっぱり0系は特別な存在。
ボードの脇には電話機の箱。よく観たら1975年製。博総ができてからずっと、ここで車両や人の変遷を見守ってきたものが、こんなところにもある。
振り向けば、検修場の出口はすぐそこ。次は屋外の展示だ。
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