渋谷つながるカウントダウン (14) 混沌さよなら

昨日が今年の花見納めだろうと思って都内まで出かけたのだが、想定以上のとんでもない寒さ。そのせいか喉を軽くやられてしまったようだ。季節の変わり目は気をつけましょう。
と説得力のない話はさておき、定点観測まとめの一応ラスト。次回おまけあり。

3月15日。「活きた渋谷駅」を観るのもこれが最後となった。お互いに仕事を午前で切り上げ、JR で集合。駅ナカのどん兵衛でさくっと昼食を済ませて、いざ入場。

足を踏み入れたターミナルは、どこか普段と違っていた。
ちょっといくらなんでも人が多すぎる。特急乗車ホームではあるものの、肝心の乗車待ち客はごくわずか。大半がただ構内でゆっくり動いているのみ。…ということはこれ、全部「名残惜しみ客」かい。

のるるんは予告通り、幕の向こうに封じられていた。こうしておいて正解だったとしか思えない周辺の人口密度。

2・3番線の降車ホームはというと、最後を飾る「ありがとう」の自社広告で飾られている。ただし、降車後このホームへ逆流することができないように、警備員さんが厳重に立ちふさがっていた。

混乱ぶりは、終端側に行くとさらに顕著に。

終端の広告枠前には報道用にお立ち台が設置されている。そしてあらゆる一般人に対し、「立ち止まらないでくださーい」と叫び続けながら人波を押しとどめる警備員さん多数。

正直、中井さんのドリター作品を交えた天井広告が観られればいいやというつもりで来たので別にがっかりはしないが、とてもまともに駅本体を撮れる状態ではない。数ヶ月前から撮っておいたのはつくづく正しい判断だったようだ。

いやいやいや金曜真っ昼間におかしいやろこの人数は。しかも、本気の鉄ヲタよりどう観ても明らかに一般人の方が大多数。当日朝にニュースか何かで取り上げられたんだろうけど、それにしても駅舎の終焉がここまで人を呼ぶとは。渋谷おそるべし。

人大杉に圧倒され、とりあえず一旦出ることに。

このとき初めて気づいた。駅だけだと思っていたメッセージに、東急東横店からのものも混じっていたことに。

歩道橋もそりゃもうえらいことに。隙間を縫ってぐるっと一周。

今後、電車たちが「渋谷駅」で観る広告が陽光を浴びることはなくなる。

例えば小学生でも電車通学で毎日使っていたなら、今回の変化は思い出の1ページに残っていくだろうな。

橋上は一般人と報道陣多数。結局こちらもごった返していることに変わりはなかった。

ひとときの静寂をヒカリエのカフェに求める。結果、昼食の4倍以上の値がついたのは御愛嬌。

おやつを済ませて見下ろしたかまぼこ屋根は、ほんの一瞬だけ鈍く輝き、最後の見せ場とばかりに独特の曲線美を見せつけていた。

きっと時間が遅くなればなるほど構内の混乱は増すだろう。なるべく穏やかな気分で見送ろうと、我々は「地上駅から出る電車」に乗って帰った。

おみやげは入場券。あまりに希望者が多すぎて有人改札が混み合い、「さよなら東横渋谷駅」と記されたハチ公スタンプのサービスは中断されたとのこと。14時台はまだ余裕があったんやね。

なお、地元駅に帰着したところ、東急ストアで相直記念セールなるものが開催されており、うっかりつられたのもまた良い思い出である。

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