みかんの国行く頃 (9) 城下を眺む

年末に修理へ出していた靴が仕上がり、引き取るため梅田へ。ついでにあれこれ買い物。はがれてきた椅子の裏布はユザワヤ、湯煎できるとっくりはハンズ、いいかげんくたびれたマフラーは大丸。物によって店の使い分け自在なのは都心の特権ですな。
さて年越し松山、観光客らしいネタを挟む。

ミュージアムの見学を終えたところで、頭上が気になる。電車1日券の特権として、数年前の時点で存在した「坊っちゃん列車1回乗車権」は廃止されたものの、もうひとつの「くるりん(観覧車)1回乗車権」は健在。元を取りたい関西人マインドが騒ぐ。やっぱ乗るか。
てことで、くるりん乗車時しか入ったことない(すんません)いよてつ高島屋に入店。地方の百貨店が閉店しがちな昨今にあって、規模・売上ともに四国最大級の当店にはまだまだがんばってほしいものだ。

大晦日に乗りにくる人もそれなりにいるもんで、前の数組に続いて乗車。午後の街は朝よりも晴れ間が増え、ぼちぼちの眺め。

城からこちらが見えれば、もちろんこちらから城も見える。それにしても改めて、築城にぴったりの小山がずいぶんと都合のいいところにあったもんだ。

高いところに上がると、眼下に電車の類を探す行動も捗る。

お、あれはどう考えても坊っちゃん列車の機関車。いうまでもなく、さっき行ったいよてつ本社の屋上である。社屋に小さなお社を設置しがちなのは全国共通か。

郊外電車の線路が見えると思ったら、ちょうど電車が登場。派手なオレンジが、探索に困らない視認性の良さを発揮。一見して元京王車とわかるくらいだから、実際そんなに距離は離れていないのか。

右奥の白い建物は県立中央病院。石手川を挟んで、さらに住宅街が広がる。くるりんの立地自体が市街地のど真ん中だから、城から見下ろすよりも街との距離が近い。

市駅につながる線路を行き来する、路面電車の姿も発見。乗ってる間にそこを通るかどうかは完全に運次第ながら、高頻度運転のおかげで今回も観ることができた。どうせ標準レンズで撮れば米粒になるんで、視認性を信じて城と一緒に。やっぱ目立つわ。

天気が回復してきた午後。そりゃ南を観れば素晴らしい逆光。目を細めつつ、それでも観察。

はるか左奥に、大きく平たい施設。坊っちゃんスタジアムという野球場らしい。あとで調べると手前にも小さな球場があり、そっちはマドンナスタジアム。ネーミングに困ったら坊っちゃん、セットで類似物があればマドンナ。それはきっと松山あるある。

空中散歩も終盤、高島屋の屋上が見えてきた。屋上遊園地らしきものがうかがえるのは、昭和後期からの名残か。おっと、また電車がいたぞ。

さっき南東から着いた電車がそのまま南西へ出たかのように見えてしまったのは、車両形式が一緒なだけ。さっきのは横河原線、こっちは郡中線。市駅の構造上、後者は他線と直通運転ができないようだ。
大手町方面の高浜線を含めた郊外電車3路線、いずれも近年の地方私鉄には珍しく、利用状況はそこそこいいという。競合路線もあまりなく(予讃線とは微妙にカバーエリアが異なる)、市内だけで50万の人口を抱えることも幸いしているのか。それに加えて、市民の足と観光資源の両面をもつ市内電車の活況。両親が今回の移住にあたり、クルマなしで生活できることを重視して松山郊外を選んだのも、わかる気がした。

こうして7年ぶりのくるりん復習は終了。なお、電車1日券は 700 円、くるりん定価も 700 円。元を取るどころか、実は「700 円払ったら無料で電車に乗れる」状態である。あの、もうちょっと利益出してもいいんすよ、いよてつさん。

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