山とアプトと機関銃 (5) 技術をさぐる

昨夜の忘年会でご一緒した皆様おつかれさまでした。1年ぶりの方からそこまででもない方まで、相変わらずノンストップトークタイム大変おもしろかったです。来年も楽しくやりましょう。
と、いかにも年末っぽい話をしたところで、井川線めぐりは後半戦へ。

ひとしきり沿線撮りを終えて、ほっそい車道からアプトいちしろ駅へ。

この駅名には2つほど思うところあり。どっかで聴いたような非常に身近な名前に似た文字列が混じっている件と、「アプト」の綴りが apt じゃなくて abt だった件。ドイツ語なのね。

奥に車庫もあるが、旅客用の駅舎は至って簡素。ちなみに、あのへん(のり面補強してる辺り)が午前の俯瞰地点。

駅のすぐ近くに踏切があり、ここで旦那さんがアプト式ならではの特徴を見つけた。

板のうち、線路に挟まれた部分が明らかにへこんでいる。機関車底面の歯車と干渉しないようにするためだろう。

同様に、ポイント切り替え部分の装置にも歯車を考慮した部分が。

線路の延長線上に視点を移すと、ホームにさしかかる直前のところにラックレールの始点があった。

レールの手前には3本の溝が入った板。なんだろう。横から観てみる。

板の両端がやや下がっている。わたしの背が足りなくてほとんど写っていないが、下には板バネがあった。多分、レールに噛ませる動作をスムーズにするための渡り板みたいなものなんだろう。

ホームの一番奥から、その先の登り坂をうかがう。線路脇でひっそり主張する「90」の数値。まあそれがなくても明らかに登っているのがよくわかる。

そんな登坂をがっちり支える、まさしく縁の下の力持ち。歯の断面が削れてうっすら光っている辺りに、かかる力の強さを想像する。

ところで、先程の踏切の先は橋になっているのだが、駅ホーム脇に解説看板があった。

市代吊橋というらしい。しかもよく読んだら当初の用途は鉄道橋。てことは、大昔の井川線はこの橋を渡ってきていたのか。へぇ。

往時の光景を脳内で思い浮かべたりしつつ、せっかくなので列車を待ってみることにした。

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