都ぞ春の錦なりける (1) 浪漫を求む

繁忙期をやや脱しつつあって(まだ油断は禁物だが)ある程度時間の余裕が確保できる状況。来年の申告に向けてあれこれ整頓したり、以前から構想だけはある件を少しずつ進めたり。やりたいことはできる時にやっておかんとね。
さて今回もちょいと時計を戻して、桜が散るちょっと前、4月序盤のお話。

この日、我々は JR 基準で久しぶりと思われる「初めて使う駅」を行動の起点とした。

馬堀。俗に言う嵯峨野線に属しており、つまり過去の山陰旅で通過していることになる。京都駅からは30分近くかかったかな。8両の 221 系はかなり賑わっており、途中で徐々に空くも嵯峨嵐山から再度増加に転じ、そして多くが当家と同様に当駅下車。駅舎のスケール感に対して、歩いている人の多いこと。

降りた人の大半が、同じように駅から引き返すように東をめざして桜並木の下を歩く。といっても目的はこれではなく。

築堤をくぐって歩くこと数分、のりかえ駅が見えてきた。業務用階段の上に見えているコンクリートの塊が「終端」に相当する位置。

というわけで、今回のお目当てがこちら。

山陰本線の旧ルートから転じた嵯峨野トロッコ。ずっと前から存在は知っていても、とにかくきっぷが取れないだの客が多すぎるだのという話で長年手が出ないままだった。海外からのお客様が消えた今、しかも便利な嵐山始発ではなく反対方向の亀岡発なら取りやすいのでは、と推理の結果、前売きっぷを確保した次第。

ではさっそく、と駅舎内へ歩を進めると、突然の明智光秀。まあ、うん、丹波攻略でいろいろとね。

待合室はすでに人だかり。ホームに出て待つとしよう。

駅を出てすぐのところに桜のトンネルが見える。一部終わってるけどそれはそれ。で、右のトンネルに続く複線が現在の本線。

ついさっきあんな感じでそこを通ってきたわけですよ。元エースののんびり余生に見えなくもないが、実際しっかり乗ってみると、駅間の長いところやトンネルなどで遠慮なく高速走行。かつて新快速を担った網干から転属した意味はそのへんにあるのか。

旧線との間のスペースを使って、なぜかたぬきの集団。信楽からそう遠くないとはいえ、縁起かつぎにしても膨大な数をよく用意したもんだ。

10分かそこらで、お待ちかねの列車到着。

機回しスペースがないため、機関車は常に嵐山側固定、亀岡ゆきは簡易運転台が先頭で走ってくる。

降車終了を待って乗り込む。当家のポジションは4号車。本命であった窓ガラスなし車両、「リッチ」と呼ばれる5号車は売り切れ。多少の反射は割り切るつもりだったけど、いざ乗ってみると窓の可動域が想定より広い。下の赤いバーよりさらにちょっと下まで開けることができた。窓際でさえあれば撮影に支障はなさそう。
あ、ちなみに座席指定にはコツがありまして。公式サイトに載っている通り、4人掛けボックスで同じ数字を共有し、A・D が窓側、B・C が通路側の割り当て。窓の取り合いを防ぐため、A と D を指定して座る当家であった。

折り返し所要時間は5分程度。それでは出発進行〜。

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