Sweet 10 Journey (15) 山間の登坂線

実家から来たりんご、2人暮らしで毎日食べても減らない。一方、以前から当家の中で話題になっていた直火式ホットサンドメーカーを先日導入。そこで本日のおやつ「アップルパイ風りんごホットサンド」爆誕。おいしゅうございました。
さて秋の豪遊、3日めもあれやこれや動き回るよ。

熊本市内を出て R57 をひたすら東へ。ロードサイドを絵に描いたような街の密度が徐々に減り、山間部らしい景色になったところで、本日最初の目的地に到着。

熊本地震以来ずっと運休していて、4年にわたる復旧作業を経てようやく全線再開にこぎつけた豊肥本線。ここは沿線屈指の有名撮影地らしい。なるほど、なんとなく観たことがあるぞ。

空港から東を向くと見えるおなじみの風車群は、この近くの山に立っている。

運行頻度は1時間に1本くらい。現地入りしたのが9時半前後のため、最初に来る列車がぶっつけ本番。といっても、特殊なロケーションによって車両の接近を逐一観察することができる。

車道の下から列車が出てきた。車道の向こう側にある最寄り駅・立野を出たばかりの九州横断特急。

我々が立っている地点よりかなり下の方を、奥へと走っていく。こうしてみるとかなりの高低差。

それを乗り越えるために作られたのが、立野名物と呼ばれているスイッチバック。土むきだしの斜面付近に設置されている。あのへんで山が崩れたり線路がずれたりしたのが、長期運休を必要とした大きな理由のひとつだった。
はるか後方に空港が見えている通り、あっちが熊本市内方面。立野までこちらへ進み、そこでいっぺん後退からの、改めて阿蘇方面へ前進となる。

なんせ乗務員氏が運転台を移らなければならないから、折り返しにはそれなりに時間がかかる。スイッチバック付近で姿が見えなくなってから数分後。

いらっしゃいました。キハ 185 系の専用色、真っ赤な車体が緑にたいへん映えるのだが、いかんせん2両固定編成なんでちょっと短く感じてしまうのは致し方なし。

写真だと平たく見えるこの区間も、というより立野付近全般、ひたすら続く 33‰ の上り坂。SL 時代いかに大変だったかを物語る資料(旦那さんが独身時代に揃えた SL 本)を帰宅後に熟読した上で振り返ると、現代のディーゼル車両がなんなく上っていくのはすごい。

しばらく上った先の次駅・赤水にて上下線がすれ違い、熊本へ向かう特急が下りてきたのは15分ほどたった頃。

急斜面にへばりつくような段々状の農地に囲まれた線路を、するすると下る。
谷間の中央付近に、謎の白い丸が3つ。旧小学校に作られた風力発電用風車で、その近所に立野駅がある。さっさと行けば、今撮った特急がまだ駅にいるかもしれない。ということで行ってみた。

やっぱりいた。
だがしかし、やけにさっぱりしすぎていてホーム以外の駅施設と呼べそうなものがない。あとで確認したところ、やはりここもいろいろと被害を受け、駅舎や歩道橋など大半が撤去となっていた。

隣接する南阿蘇鉄道の駅もまた、ホームと線路を残して建物が取り払われていた。改めて知る地震の爪痕。

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